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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十話 食堂からその四

「このパンにするわ」
「ああ、黒いパン売ってるわね」
 イタワッチさんも黒糖パンと聞いて思い出した様に言った。
「日本には」
「そうでしょ、このパンがまたね」
「美味しいのね」
「そうなの、だからね」
「千歳はパンはそっちにするのね」
「菓子パン系以外にはサンドイッチも好きだけれど」
 こちらのパンもというのだ。
「今日はね」
「黒糖パンにするのね」
「そうなの、それでね」
 そのパンを買ってというのだ、黒糖パンを。
「食べるわ」
「ううん、そういえば私まだ」
 黒糖パンについてだ、イタワッチさんは微妙な顔になって言った。
「黒糖パンはね」
「食べたことないのね」
「そうなの、じゃあ」
「それじゃあ?」
「今日もう一個食べようかしら」
「ジャムパンとチョコパンだけじゃなくて」
「ええ、黒糖蒸しパンって見たから」
 こうしたパンもある、僕の好きなパンの一つだ。
「それじゃあね」
「そのパンをなのね」
「買って」
 そしてというのだ。
「食べようかしら」
「いいと思うわ、そのパンもね」 
 黒糖蒸しパンもとだ、千歳さんはイタワッチさんに笑顔で話した。
「美味しいから」
「食べて損はないのね」
「ええ、ただ食べられる?」
 千歳さんはイタワッチさんにこのことも尋ねた。
「もう一個って」
「多分ね」
「多分なの」
「私の胃が言ってるわ」
 そこがというのだ。
「今しっかりとね」
「だからなのね」
「あと一個はね」
「食べられそうなのね」
「だから食べるわ」
「そうするのね」
「ええ、じゃあ今から」
「黒糖蒸しパンもなのね」
「買うわ」
「じゃあ私も」
 千歳さんはイタワッチさんの言葉を聞いて考える顔で言った。
「もう一個買おうかしら」
「黒糖蒸しパン?」
「そのパンをね」
 まさにというのだった、千歳さんも。
「そうしようかしら」
「それじゃあ」
「買うわ」
 ここで千歳さんは決断を下した、そうしてだった。
 僕達はパンと牛乳を買ってそのうえで三人用のベンチに並んで座って食べた。僕はこの時右か左の端に行こうと思ったが。
 ここでだ、僕はイタワッチさんに言われた。
「義和は真ん中ね」
「えっ、僕が真ん中なんだ」
「だって今男の子義和だけよ」
 だからだというのだ。
「それでね」
「僕が真ん中なんだ」
「それで私が右か左で」
「私がもう一方なのね」
 千歳さんも言ってきた。 
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