八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九話 運動会前その二
僕はバスが学園に着いたのでそれでバスを降りて皆と一旦別れてそのうえでまずは部活の朝練に出た。それからクラスに行くと皆運動会の話をしていた。
「誰に何に出てもらうか」
「それよね」
「誰に出てもらう?」
「それで頑張ってもらう?」
皆で話していた、それで僕もその中に入ることにした。
「運動会の話だよね」
「ああ、そうだよ」
その通りだとだ、中国からの留学生劉君が答えてくれた。言葉に中国の訛りはなくて関西弁のそれが出ている。
「皆で話してたんだ」
「ホームルームの時に話すよね」
「そうだけれど」
それでもというのだ。
「皆今から気になってなんだよ」
「お話してて」
「まあ具体的な話にはまだ至っていないけれどさ」
「そうなんだね」
「義和何に出る?」
劉君は僕に聞いてきた。
「それで」
「そうだね、まあ何でもいいけれど」
「じゃあ借りもの競争とかは」
「何でもいいよ」
こう劉君に答えた。
「実際に。一人一種目だよね」
「そうなってるからな」
だからだというのだ。
「義和も何に出るか考えておいてくれよ」
「まあ本当に何でもいいから」
またこう言った。
「競技はね」
「じゃあ仮装競争でもいいのか?」
「いいよ」
劉君にすぐに答えた。
「というか本当にね」
「どんな競技でもいいんだな」
「僕としてはね」
「そうか、じゃあ本当にな」
「何でもいいから」
僕はまた劉君に答えた。
「まあ決まったらね」
「それに出てか」
「全力尽くさせてもらうから」
「わかった、けれど御前結構速いからな」
足がというのだ。
「フットワークいいしな」
「バスケしてるせいかな」
「それだよ、だからな」
「結構俊足で動きもいいから」
「だから重要な競技任されるかもな」
「そうなんだ、それじゃあね」
それならとだ、僕は劉君にまたこう言った。
「大事な競技に選ばれたら」
「気合入れてか」
「やらせてもらうよ」
「何かどんな競技でもってな」
「実際にそんな感じだよ」
「命懸けって感じじゃないな」
「いや、確かに全力は尽くすけれど」
それでもとだ、僕は劉君に少し真剣な顔になって答えた。
「幾ら何でも生きるか死ぬかじゃないよね」
「ああ、運動会はな」
「そんな運動会あるかな」
生きるか死ぬかがかかっている様なだ。
「漫画じゃともかくとして」
「漫画だったらありそうだな」
「結構何でもありだからね」
漫画という創作の世界ではだ、もっともこれはゲームというジャンルになると余計にそうなっていく。
「有り得るけれど」
「実際はないか」
「というか日本にそんな運動会ないし」
どの学校でもだ、幾ら真剣になってもだ。
「中国にもないよね」
「あったら怖いだろ」
劉君は僕に真顔で答えた。
「というか中国でもな」
「そんな運動会ないよね」
「というか学校で体育自体な」
「あまりしないんだ」
「日本みたいじゃないからな」
中国の学校はそこが違うというのだ。
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