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夢幻水滸伝

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第八十二話 佐渡の金その七

 この日は二人で飲んだ、そして翌日転移の術で名護屋城に戻ると滝沢と正宗がいて彼に言ってきた。
「それで、ですか」
「お風呂に入られてですね」
「それからこちらに戻られたのですね」
「そうだったのですね」
「そうだがや」 
 その通りだとだ、坂口は二人に答えた。
「昨日も飲み過ぎただがや」
「相変わらずお酒が好きですね」
「この前も飲まれていましたし」
「自分でもそう思うだがや、それで」
「はい、我々はですね」
「今度はですね」
「ちょっと政をしてもらうだがや」
 軍勢のことだけでなく、というのだ。
「甲斐の堤だがや」
「川の堤ですね」
「あれを整えますね」
「徹底的にだがや、銭はあってだがや」
 このこともあってと言うのだった。
「それに困らない様になったからこそだがや」
「銭を大規模に使い」
「そうして立派な堤を築きますか」
「そうして灌漑もしてだがや」
 川の堤を築くだけでなく、というのだ。
「甲斐の国にいい水田を多く作るだがや」
「ではもうほうとうだけではないですね」
「民達は米をふんだんに食べられますね」
「そうなる様にするだがや、そして」
 坂口は二人にさらに話した。
「葡萄とか特産品は今以上に作るだがや」
「葡萄ですか」
「それもですか」
「それでワインも造るだがや」
 酒もというのだ。
「これを売って儲けるだがや」
「大きい商売になりますね」
 滝沢は坂口にワインもと聞いて言った。
「酒もとなると」
「それだがや、今朝風呂に入っていて思っただがや」
 二日酔い、酒にあたってそれを抜く為に入っている時にだ。坂口は言いながらこれも怪我の功名かと内心考えていた。
「ワイン、葡萄酒もどんどん作って」
「売ってですね」
「儲けるだがや、あと信濃の川も堤を築いて灌漑を行って」
 この国でもというのだ。
「そしてだがや」
「さらにですね」
「行うことがありますね」
「こっちは林檎に梨、特に林檎で」
 この果物を使ってというのだった。
「酒造るだがや」
「シードルですね」
 林檎の酒と聞いてだ、正宗が応えた。
「それを造らせてですか」
「どんどん売るだがや、あと信濃は蕎麦だぎゃ」
「蕎麦もですね」
「造って売るだがや」
「そうしていきますか」
「それで、だがや」
「甲斐も信濃もですね」
「豊かにするだがや、豊かになればさらにその豊かさを元手にして」
 手に入れた銭を内政にさらに使ってというのだ。
「二国をさらに豊かにしていくだがや」
「それをですね」
「我々にと仰るのですね」
「次はそれを頼むだがや」
 これまでは別の仕事をしていたがというのだ。
「宜しく頼むだがや」
「はい、それでは」
「その様に」
「わしはその間東海の政を見るだがや」
「棟梁はそちらですか」
「そちらの政をされますか」
「そうするだがや、六人で手分けしてだがや」
 東海、北陸の星の者全員でというのだ。 
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