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八条学園騒動記

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第五百一話 青春のコスプレその七

「僕はそこまで変わらないよ」
「男の娘は凄い」
 ここで部長がまた言った。
「心までもが女性になっている」
「女の子にですか」
「なっている」
「そうですあ、僕は」
「なっていないな」
「口調でわかりますよね」
「ああ、完全にな」
 それこそとだ、部長はジョルジュ自身に述べた。
「元のままだ」
「それが男の娘はですか」
「性別は違うが」
 男だが、というのだ。
「外見だけじゃなくて性格もな」
「女の子になっていますか」
「性同一障害という言葉があるが」
 この時代ではかなり認識されている、必要とあらば性転換手術も出来る様になっているがそのままでいる人も多い。
「性別は男だが」
「それ以外は女の子で」
「僕はノーマルだが」
 同性愛の趣味はないというのだ。
「だがな」
「お付き合いしたいってですか」
「思ったことがある」 
 実際にというのだ。
「今このことを他の人にはじめて言う」
「そんなことがあったんですね、部長には」
「だが止めた、好きだったが」
「やっぱり性別のことが気になって」
「生物上のな、だから告白しないでな」
 好きだった、だがそれでもというのだ。
「友達のままだった、何しろ性格もな」
「女の子のものだったんですね」
「誰よりもな」
「それも凄いですね」
「そうした娘を知っているから言うんだ」
「今の僕は男の娘でも」
「外見だけだ」
 幾ら可愛くともと、というのだ。
「そこまでだ」
「そうですか」
「それでだが」
 部長はジョルジュにさらに話した。
「撮影会だがポーズが大事だ」
「はい、被写体になるなら」
「そこは考えてくれ」
「女の子らしい、このキャラに相応しいポーズですね」
「それで頼む」
「わかってます、キャラになりきってですね」
「被写体になってくれ」
「わかっています」
 ジョルジュは部長に微笑んで答えた。
「そのことは」
「ならいい、とにかくな」
「今の僕はこのキャラですね」
「名前は何だったか、そのキャラは」
「ナノハ=フェアチャイルドです」
「そうか、ナノハか」
「作中屈指の人気キャラでして」
 ジョルジュは部長にこのキャラのことをさらに話した。
「主人公にとって一番頼れるキャラです」
「そうしたキャラか」
「はい、部長この作品は」
「あまりよく知らなくてな、大人気作だったな」
「アニメも今七期です」
「七期、それは凄いな」
「この十年で」
 この時代もアニメはそれぞれのクール単位で制作、放送されている。そのクールが三ヶ月であるのも同じだ。
「それだけやっています」
「本当に人気があるんだな」
「それで今七期放送していまして」
「そのキャラも出ているんだな」
「一期の一話から主人公と一緒に」
「最古参キャラの一人か」
「それだけに安定した人気があります」
 そうなっているというのだ。 
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