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八条学園騒動記

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第五百一話 青春のコスプレその一

               青春のコスプレ
 メイクをしてもらったジョルジュはアニメ研究の扉をノックした、するとすぐに扉の向こうから声がした。
「二年S1組のジョルジュか?」
「あれっ、何でわかったのかな」
「今さっき連絡が来たんだよ」
 扉の向こうからこう言ってきた。
「今さっきな」
「そうだったんだ」
「コスプレしたいんだよな」
「そうだよ」
 ジョルジュはその通りだと返事した。
「それで来たんだ」
「そうだな、じゃあな」
「入っていいかな」
「ああ、入れよ」
 返事はオッケーというものだった。
「衣装の話しような」
「それじゃあね」
 こうしてだった、ジョルジュから扉を開いてアニメ研究会の部室に入った、すると本棚にアニメ雑誌やそれぞれの作品のファンブック等が並んでいてフィギュアもある。その部屋の奥に一人の大柄で金髪を左右で分けた眼鏡の少年がいた。
 少年はすぐにだ、ジョルジュに名乗った。
「隣のメイク部からメールが来たんだよ」
「今さっきだね」
「ああ、その前にジュリアから返事きたしな」
「ジュリアからもなんだ」
「同じ国出身でな」
「君イロコイ人なんだね」
「そうだよ、ちなみに名前はジャン=イヨタケだよ」
 少年は自分の名前も名乗った。
「クラスは二年B2組な」
「同級生だね」
「趣味はアニメ鑑賞と文学書を読むこと、それと身体を鍛えることだよ」
「そういえば君体格いいね」
「脂肪率は二十パーセントだぜ」
 少年は笑って言った。
「毎日トレーニングルームで汗を流してな」
「アニメとトレーニングの両立させているんだ」
「ああ、昔のイロコイ族に憧れていてな」
 ネイティブアメリカンのこの部族にというのだ。
「それでなんだよ」
「身体を鍛えて」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「強くなりたいんだよ」
「そうなんだね」
「ああ、それでコスプレしたいんだよな」
「今からね」
「そのメイクだとな」
 ジョルジュの今の顔を見てだ、少年はすぐにある作品のメインヒロインキャラの写真を出してきて言ってきた。
「この娘か」
「うん、この娘だよ」
 その通りだとだ、ジョルジュも答えた。
「その娘になりたいんだよ」
「わかった、じゃあもうコスプレ部と話はついてるしな」
「というか君掛け持ち?」
 ジョルジュは少年にアニメ研究会とコスプレ部は部員の掛け持ちが多いと聞いたことからこう尋ねた。
「ひょっとして」
「そうだよ」
 その通りだとだ、少年も答えた。
「実はな」
「やっぱりそうなんだね」
「それでな」
 少年はジョルジュにさらに話した。
「もう衣装もな」
「あるとか?」
「あるよ、これな」
 言ってすぐにウィッグと衣装を出してきた、手袋やブーツ、ステッキにタイツまでという念の入れ様だ。
「すぐに着替えればいいさ」
「用意がいいね」
「おいら様は用意がいいことで有名でな」
「おいら様?」
「おいら様の一人称だよ」
 それだとだ、少年はジョルジュに笑って答えた。 
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