夢幻水滸伝

　室生は飛騨の占領を続けている東海に使者をやった、坂口達のいる場所が高山城と察していたのでその城に送った。
　坂口は実際にその城にいた、そしてその城で坂口に室生の考えを話すと。
　坂口はすぐに雅と滝沢、正宗を呼んだ、そのうえで使者の話を話すと雅がすぐに言ってきた。
「ではすぐにです」
「北陸とだがや」
「はい、同盟を結び」
　彼等の言う通りにというのだ。
「親密な関係を築き」
「一緒にやっていくだがや」
「そうしましょう」
　こう言うのだった。
「これからは」
「そうしていくだがや」
「北陸と全面的に戦えば」
　そうなった時のことをだ、雅は坂口に話した。
「双方傷付き」
「そうしてだぎゃな」
「勝とうともです」
「共倒れに近い状況になるだぎゃな」
「そこを近畿、東国に攻め込まれかねません」
「それよりもだぎゃな」
「ここは彼等と一つになるに近い同盟を結び」
　そしてというのだ。
「共に政を進めていきましょう」
「それがいいだぎゃな」
「室生さん達に野心がないのは明らかです」
「あいつはそういう奴だがや」
　坂口は室生を起きた時と知り合いもっと言えば友人であることから彼を知っている。そのことから言ったのである。
「生真面目でもだがや」
「天下統一の様なですね」
「権力欲はないだがや」
「ですから」
「手を結んでもですね」
「いいだがや」
　坂口もこう言った。
「ではだがや」
「はい、このお話受けましょう」
「星の位は同じ天でしたね」
　滝沢は坂口に彼と室生の星のことを尋ねた。
「起きた時は三年生ですし」
「ああ、ただ星の序列ではだがや」
「それはですね」
「あいつの方が上だがや」
「では」
「あいつを立てるだがや」
　そうするとだ、坂口も言った。
「そうするだがや」
「そうされますか」
「序列はこの世界でも大事だがや」
　それ故にというのだ。
「そうするだがや」
「わかりました」
「北陸と共になると大きいですね」
　正宗は北陸の広さから述べた。
「越後、越中、能登、加賀ですから」
「一つ抜けていますよ」
　雅は正宗に笑みを浮かべて突っ込みを入れた。
「北陸と言えばです」
「越前、いえあの国は近畿が手に入れようとしているので」
「佐渡です」
「金山のある」
「あの金山が手に入りますし」
　それにと言うのだった。