八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六話 イギリス風メイドその六
「おかしいからね」
「そうよ、それが偉い人だとね」
「有名な人だったりしたら」
「もう日本は駄目だ駄目だって言い募ったら」
「聞く人嫌になるわよ」
「実際にそうした人の本を読んだら」
ちらりとそうした人の本を読んだらだ。
「いい気持ちしなかったよ」
「そうよね」
「自分の国を何でも駄目って言われたらね」
「それで日本人もって言われたら」
「いい気持ちはしないわね」
「僕も思うよ」
そうした人についてはだ。
「そうした人達って本が売れてお金もあるし」
「他の国で暮らせるから」
「それでよね」
「日本を出て行ってね」
「他の国で暮らしたらってね」
「うん、そうした人達って日本以外のある国がひたすら好きなんだ」
好きな国はアメリカなり中国なりイギリスなり何なりだ、こうした国を絶賛しきっていて比較して日本を批判するのが常だ。
「けれどね」
「日本から出ないのね」
「どうしても」
「不思議なことにね、何でか知らないけれど」
どう見ても嫌いで嫌いで仕方ない国なのにだ。
「嫌いな本なら読まない、嫌いな人とは出来るだけお話しない」
「そうするわね」
「普通はね」
「けれどね」
それでもだ。
「こうした人達は日本から出ないで」
「ひたすら日本を攻撃する」
「他の国を絶賛して背景にして」
「そうだよ、けれどね」
僕は紅茶を飲みながら現実を話した、紅茶の苦さよりもそうした人達について思う苦さで気持ちが苦くなった。
「その絶賛する国にも悪い部分はあるんだよ」
「絶対にそうよね」
「どんな国でも人でも悪い部分あるから」
「組織だってね」
「どんな世界でも」
「だからそうした人はそうした国に移住しても」
絶賛しているその国にだ。
「果たして幸せに暮らせるか」
「どうかよね」
「難しいかもね」
「ずっと日本にいるなら」
「それならね」
「そうじゃないかな、中には日常生活もって人もいるから」
そっちがかなり駄目な人もいる、もっともこうした人はどの職業でもいる。
「そうした人が日本から出てね」
「他の馴染みのない国で暮らせるか」
「そう考えると」
「やっぱり難しいわよね」
「日本を出ても暮らせるか」
二人もこう話した。
「それこそね」
「けれど日本がとことん嫌いなら」
「日本から出た方がその人にとってもいいし」
「嫌いな国にいるより好きな国にいた方がね」
「うん、幸せになれる筈だよ」
皮肉抜きにこうも思う。
「だからって思うよ、まあそっちの国で暮らせなくても」
「それまでね」
「後で何言ってもいいわよね」
「そんな人がね」
「あれこれ言っても」
「それはね」
「普通にね」
二人も僕の言葉に頷いてくれて言った。
「誰も同情しないし」
「今まで罵られてきた日本人はね」
「うん、僕もそうした人達が他国でどうなっても」
あれをしたらもっとよくなる、こうしたらもっとよくなるとか言わずにただ日本をひたすら駄目だ駄目だと言って罵るだけの人はだ。
「石ころが道の端に捨てられるみたいにね」
「どうでもいいわよね」
「そう思えるわよね」
「うん、その国で強盗に襲われて刺されて死んでも」
極端な意見だろうがこうも思う。
「そうなんだ、でね」
「終わりね」
「それだけで」
「大好きな国で死ねたから」
このことは半分以上皮肉で思うことだ。
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