夢幻水滸伝
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第八十話 東海と甲信その二
「まだ所々に盆地があって水田を持っているにしても」
「やはりです」
「山がちで貧しい」
「ですから」
「治水を定めて」
「水田を増やしていくしかないですね」
「そうなるな、農業重視か」
今の自分達がすべき政策はとだ、滝沢は言った。
「暫くの僕達の政策は」
「そうなりますね」
「そして」
そのうえでともだ、滝沢は述べた。
「もう一つある」
「もう一つですか」
「甲斐には金山がある」
滝沢はこちらの話もした。
「しかもそこから豊かな金が多く出ている」
「その金山の金を使って」
「富を蓄えて」
「農業にも使いますね」
「そうしよう、幸い我々には金がある」
豊かなそれがというのだ。
「それなら」
「それを使うまでですね」
「あるものは使わないと」
そうしなければというのだ。
「何も出来ない」
「だからこそですね」
「金山からはどんどん掘る、人手は人夫を高い報酬で雇うか」
「罪人達をですね」
「回そう、死罪にするよりも」
それよりもというのだ。
「徹底的にこき使って消耗品にして」
「掘らせますね」
「そうしよう、死罪にするしかない様な連中は」
そこまでの兇悪犯達はというのだ。
「今の我々の状況では」
「無闇に死罪にするよりもその方がいいですね」
「そうだ、消耗品として」
まさにその様なものとしてというのだ。
「使い潰していこう」
「そうして掘らせて」
「富を得よう、農業を重点に置くが」
「それと共に」
「二国の道を整え」
甲斐と信濃のだ。
「甲府や諏訪、上田の街を整えていこう」
「商業もしていきますか」
「中山道にある街々を重点的に整えていって」
そしてというのだ。
「そこでの商業をよくしよう」
「それではそちらも」
「やっていこう」
「まずは内政ですね」
「周りに警戒しながらな」
「その周りですが」
正宗は滝沢に難しい顔で述べた、甲府城の天守閣で話をしているが天守閣からは街だけでなく甲府の街を囲む山々も見える。
「東海の方で」
「尾張と駿府がか」
「手を結び一つの勢力になりました」
そうなったというのだ。
「この度」
「そうか、となると尾張と駿河、そして」
「三河と遠江もですね」
「一つの勢力に収まったか」
東海の四国全てがというのだ。
「そうなるとな」
「かなりの勢力ですね」
「四国共豊かだ」
尾張や駿河だけでなくだ、他の二国もというのだ。
「信濃や甲斐と比べるまでもない」
「非常に豊かで人口も多い」
「そうだからな」
「若し戦うと」
そうすると、というのだ。
「その豊かさで攻められますね」
「そうなるな、それならな」
「どうされますか」
「攻められるならな」
その危険がある、それならばと言う滝沢だった。
「逆にな」
「こちらからですか」
「攻めるか、駿河でも手に入れれば」
東海第二の国であり雅が治めていたこの国をというのだ。
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