八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百一話 家庭その三
「ゲリラ豪雨も多かったけれど」
「やっと涼しくなってきたな」
「何日か前まで暑かったのにな」
「苦しいまでだったっていうのに」
「それがね、お家にいても」
八条荘にいてもだ。
「クーラーをつけることも減ってきたよ」
「少しずつそうなってきたな」
「本当にいい季節になってきたな」
「このまま本格的に秋になってな」
「余計に涼しくなるな」
「そうだね、秋になれば」
僕は目の前に来た感じ、実際にそう感じられてきたこの季節のことを思って同級生の皆にこう返した。
「もっと過ごしやすくなるよ」
「そうだよな、ただな」
「神戸だからな、ここ」
「すぐに寒くなるんだよな」
「どうしてもな」
「そうなんだよね、夏は大阪に比べて涼しいけれど」
猛暑の中でもそうではあった。
「秋はすぐにね」
「寒くなるからな」
「もう一気に」
「それで冬になるからな」
「神戸は」
「そうなんだよね」
本当にだ、神戸に生まれ育っていると嫌でもわかることだ。
「秋の涼しさがね」
「結構貴重だよな」
「大阪とか奈良と比べたら」
「関西の他のところとな」
「京都は別にしてな」
「京都はね」
僕はこの街の話もした。
「盆地だからね」
「夏はとことん暑くてな」
「冬は神戸以上に寒いからな」
「暑さや寒さが底にこもって出ないからな」
つまり山に囲まれた京都の街にだ。
「しかも京都って狭いよな」
「ああ、狭い狭い」
「四方山にぐるりって狭い街が囲まれていて」
「余計にそうなっているんだよな」
夏は暑く冬は寒くだ。
「秋はあってもな」
「冬本当に寒いんだよな」
「あの寒さ我慢出来ないよな」
「底冷えしてな」
「神戸の寒さはね」
僕はあらためてこの街のそれの話をした。
「前に海があってね」
「後ろに山があるからな」
「六甲山脈な」
「そこからの風が来るからな」
「それもいつも」
「だから冷えているんだよ」
「そのせいでなんだよ」
山から一気に海まで吹き抜ける、これのお陰で夏は暑いけれど冬は本当に寒い。
「神戸の寒さもね、秋もね」
「すぐに寒くなるんだよな」
「だからこの涼しさもな」
「すぐに寒さになるよな」
「そうした街だよな」
「大阪だとね」
神戸のお隣のこの街はというと。
「冬でも暖かいけれどね」
「夏は滅茶苦茶暑いけれどな」
「冬はそうだよな」
「神戸よりずっと暖かいな」
「京都より遥かにだよ」
「そうなんだよね、あそこは冬凄しやすいんだよね」
本当にだ、寒くても神戸とは全然違う。
「あそこは熱が逃げないのかな」
「そんな場所なんだろうな」
「人も多いしな」
「あと街の雰囲気自体が暑くないか?」
「ああ、それあるな」
皆で大阪の街のカラー自体の話もした。
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