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クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
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第58話:憤怒の魔王

何とか全員で力を合わせ、暗黒デジモン達を全滅させたものの、無理をさせ過ぎたのか、アグモン達は戦いが終わるのと同時に大量の汗を流しながら座り込んだ。

「これ以上はもう無理です。アグモン達をデジタルワールドに帰さないと」

アグモン達は3年前を除けば長時間現実世界にいたことがないため、これ以上現実世界に留まるのは危険だと判断した光子郎はデジタルワールドに帰すことにした。

「待って、僕達の残りのパワーを全てブイモンに渡そう!!」

このまま帰るよりもこの先、デーモンとの戦いを控えているブイモンにチンロンモンのパワーを渡した方がいいと判断したアグモン達はブイモンに残されたチンロンモンのパワーを与える。

力が漲り、疲れが癒えていく感覚がする。

「サンキュー!!」

「後は任せたよ!!」

ブイモンはアグモン達に礼を言い、アグモン達はブイモン達に全てを託してデジタルワールドに。

「…行くか!!」

「どうやって?僕達はアルケニモン達がどこにいるのか分かりません。」

「…俺には分かる。俺はダークタワーデジモンだ。アルケニモン達の居場所くらい分かる」

ブラックアグモンがアルケニモン達がいる場所を向きながら呟く。

「よし、ブラックアグモン。案内してくれ…多分、そこにはデーモンがいる。行ったらもう引き返せないぞ。覚悟は良いな?」

大輔がヒカリ達に顔を向けるとヒカリ達も頷いてくれた。

「行くぜ!!」

ブラックウォーグレイモンを先頭にしてブイモン達は進化し、アルケニモン達がいるであろう場所に向かう。

途中で大輔達はある場所に向かっていることに気付く。

「ん?この先は光が丘…?」

「光が丘……ヴァンデモンがゲートを開いて、私が初めてやって来た場所」

「そして、私がデジタマを見つけた場所……その光が丘で何が……またあの場所で、何が起ころうとしているの?」

「…少なくても碌でもないことだろうな。アルケニモン達とそのボスの及川悠紀夫、そしてそこらの暗黒系とは明らかに別格そうなデーモン…このままじゃ光が丘の未来は明るくないだろうな…」

及川とアルケニモン達もデーモンも光が丘の人々が犠牲になろうと知ったことではないだろう。

そして時間をかければかけるほどに、賢や光が丘の未来は暗い方向に向かっていくだろう。

「くそ…」

唇を噛み締める大輔にヒカリはそっと声をかけた。

「焦らないで大輔君。焦りは判断力を鈍らせるってキリハさんに教わったでしょ?」

ヒカリのその言葉に大輔はハッとなった。

そうだ、焦りは判断力を鈍らせる。

今回の敵は三元士レベルの相手だと判断し、焦っていては足元を掬われかねない。

「…ありがとうヒカリちゃん」

「…どういたしまして」

「ウワア、大輔君トヒカリチャンノ周リニ綺麗ナオ花畑ガ見エルヨー」

至近距離にいたタケルは遠い目をしながら呟いた。

「馬鹿なことを言ってる場合ですか!!早く追い付かなければ!!」

このままではどれだけの犠牲が出るか分からない。

一刻も早く急がなければ。

「ああ、分かってる。急ぐぞ!!」

大輔が声を張り上げ、マグナモン達は猛スピードで光が丘を目指す。

「それにしてもあちこち渋滞があるけど被害が全くないわ」

「多分、デーモンは及川達の目的地に先回りしてるのかもな。賢を手に入れるならそっちの方が確実だと思ったんだろ。今回ばかりは感謝しねえといけねえな…」

大輔は深い溜め息を吐きながら光が丘に向かうと、そこにいるであろう親友の元に。

一方、光が丘では…。

「…暗黒の種を貰いに来たぞ」

デーモンが言葉を発し、トラックの助手席から降りてきたのは及川であった。

「ふん……デーモン自らがお出ましとはご苦労な事だな。他の奴らはどうした……あのガキ共にやられたか?」

「……言葉は慎重に選んだ方が身の為だぞ」

及川の挑発にデーモンは威厳は保ったまま返した。

恐らくデーモンからすればこれが一番優しい警告なのだろう。

何故異質な存在とは言え、人間である及川を攻撃しないのか…?

人間だから手加減しているというのは断じてないだろう。

「素直にこちらに渡せばよし……そうでないなら、力ずくで奪うまでだ!!」

「まあ、そう慌てるなって……そんなに欲しけりゃ持っていけ」

詰め寄るデーモンを宥めるような口調で言うと、及川は音高く指を鳴らした。

するとトラックの荷台のドアが開き、中からアルケニモンに連れ出されて賢が姿を現した。

暗黒の種を子供達に植え付けてしまえば、もう賢に用は無い。

賢がデーモンに利用されようとも、及川にとっては関係の無い事だった。

賢がデーモンに差し出される直前、金色の閃光がデーモンに激突した。

「っ!貴様!!」

「よお、デーモンさん。さっきの不意打ちのお返しをさせて貰うぜ?大輔!!」

「マグナモン!!ロングソード!!マテリアルクロス!!マグナブレード!!」

金と蒼を基調とした長剣になり、マグナモンはそのままデーモンに向けて振り下ろした。

振り下ろされた聖なる光を帯びた一撃。

「ぬん!!」

デーモンは咄嗟に真剣白刃取りで剣を受け止める。

「チッ!!このまま叩き斬ってやる!!」

「ほざくな!!」

マグナモンとデーモンが激突し、ブラックウォーグレイモン、なっちゃん、デジクロス体のホーリーエンジェモンとエンジェウーモンが及川達の前に立つ。

「ボスに手出しはさせないよ!!」

アルケニモンとマミーモンがブラックウォーグレイモン達に向かっていくが、ブラックウォーグレイモンは右腕を横薙ぎするだけで2体を吹き飛ばした。

「お前の好きにはさせん!!」

ブラックウォーグレイモンが勢い良く及川に殴りかかる。

普通の人間ではなく、究極体の姿の自分を軽々と吹き飛ばしたため、手加減は不要と判断したのだ。

「ふん…」

及川の体から再び黒い影が吹き出し、片手でブラックウォーグレイモンの一撃を受け止めてしまった。

「なっ!?」

ブラックウォーグレイモンの一撃を片手で受け止められたことにブラックウォーグレイモンだけでなくヒカリ達まで驚愕した。

「あのブラックウォーグレイモンの一撃を片手で!?」

「に、人間じゃないの!?」

それを見た伊織と京は目の前で起きていることに目を見開いている。

「100本のダークタワーのエネルギー…貰おうか」

及川がニヤリと笑うと、ブラックウォーグレイモンの体から暗黒エネルギーが漏れ出し、及川に吸収されていく。

「ぐああああああ!?」

「ブラック!!」

「ぐっ、お、己!!」

力が一気に抜けていく感覚に意識を失いそうになったが、咄嗟にチンロンモンの聖なる力を放出した。

「ぐあっ!?」

咄嗟に手を離す及川の掌は火傷を負ったような状態となった。

「ぐっ…」

いきなりエネルギーの大半を持って行かれたブラックウォーグレイモンは膝を付いた。

「…それは聖なる光…何故お前にそんな力が…!?」

「俺はチンロンモンや大輔のD-3Xの影響を受けているのでな。聖なる力もある程度だが操れるようになった…!!」

「くっ、これではお前の力はこれ以上奪えないか…仕方ない!!」

及川が身を翻してトラックに向かおうとする。

「「待て!!」」

ホーリーエンジェモンとエンジェウーモンが技を放とうとするが、アルケニモンとマミーモンが立ちふさがる。

「おっと、攻撃したら子供達の命はないよ」

「子供達を死なせたくないだろ?だったら何もするんじゃない!!」

「卑怯な…」

ホーリーエンジェモンが光剣を消し、エンジェウーモンも矢を消して2体を睨む。

「何してやがる!!さっさと車を出せ!!」

及川の怒声にアルケニモンとマミーモンは慌てて向かい、去っていく車を京と伊織は追いかけようとするが…。

「待て…今はデーモンを優先すべきだ。奴を倒さねば光が丘は火の海となるぞ」

マグナモンとデーモンの激突を見て、ブラックウォーグレイモンが呟く。

「喰らえ!!」

マグナモンは剣をデーモンに向けて勢い良く投擲した。

「そんなもの…」

投擲された剣を弾いた瞬間、顔面に衝撃が走った。

「ぬう!?」

「悪いが手加減はしないぞ!!この一撃で吹き飛ばしてやる!ミラクルグリッター!!」

「ぐおおおおお!?」

デーモンに向かって一直線に伸びていく閃光をまともに受けた。

「やったあ!!」

「いや…」

賢の拘束を解きながら京がガッツポーズをした。

「はあ…はあ…」

いくらチンロンモンの光で回復したとは言え、度重なる連戦によって疲弊していたことによりブイモンに退化してしまう。

「ふう…流石に無茶をし過ぎたかな…」

「この程度か?」

煙から姿を現したのはマントが吹き飛び、本来の姿を曝したデーモン。

「お前、あれに耐えたのか?」

「当然だ。私は七大魔王の一角…例え聖なる光を使うロイヤルナイツと言えども簡単に倒されたりはせん」

「なるほどな…やっぱり三元士レベルのデジモンのようだな。ならこいつで行くぞ!!ブイモン進化、エクスブイモン!!」

「ワームモン進化、スティングモン!!」

「「エクスブイモン!!スティングモン!!ダブルクロス!!」」

「パイルドラモン!!パイルドラモン進化、インペリアルドラモンDM!!」

「「「インペリアルドラモンDM!!ホーリーエンジェモン!!エンジェウーモン!!ブラックウォーグレイモン!!シスタモン・ノワール!!アンノウンクロス!!」」」

「インペリアルドラモンXDM!!」

「ほう、そんな進化もあるのか」

インペリアルドラモンXDMがデーモンに凄まじい勢いで向かっていく。

デーモンは全身に力を漲らせ、インペリアルドラモンXDMと同等の体格となるとインペリアルドラモンXDMと取っ組み合いをする。

「中々のパワーだ。スピードも悪くない。だが…」

「!?」

腕を掴まれたインペリアルドラモンXDMは勢い良く地面に叩きつけられた。

「私と戦うなら先程のマグナモンの方が良かったな」

「ぐっ!?」

「確かにその形態も聖なる力を宿しているようだが、所詮は完全体2体分だ。私を倒すには圧倒的に力が足りん」

「どうかな…やってみないと分からない!!セイクリッドブレード!!」

「愚かな、スラッシュネイル!!」

光を纏った刃と闇の爪がぶつかり合う。

最初は互角の打ち合いをするが、しかし手数の差で押され始める。

「うぐ…!!」

インペリアルドラモンXDMの体に傷が付き始める。

「所詮は四足歩行のデジモン…二足歩行のデジモンと比べれば小回りが利かん。ハンマーナックル!!」

「ぐはっ!?」

デーモンの拳がインペリアルドラモンXDMの顔面に炸裂し、吹き飛ばすのと同時に飛翔した。

「フレイムインフェルノ!!」

デーモンの重ねた両手の中で、業火が渦を巻きデーモンはその炎を、インペリアルドラモンXDM目掛けて撃ち出す。

「ぐっ!!ポジトロンレーザー!!」

業火と光線がぶつかり合う。

「ほう?中々やるものだ。更に力を引き上げても良さそうだ…!!」

業火の勢いが増し、それによってインペリアルドラモンXDMの光線が押され始めた。

「ぐっ!!くそお…!!」

インペリアルドラモンXDMも負けじと光線の威力を上げる。

「不味いな…パワーが足りない…」

大輔は顔を顰めながら呟く。

「大輔君、アグモン達からチンロンモンのパワーを貰ったけど。それでもエネルギーが足りないの?」

「ああ、FMにモードチェンジするにはまだブイモンにエネルギーが足りない…!!」

大輔が言うと、ヒカリは表情を暗くする。

「……今更かもしれませんが、何とかして、デジタルワールドに追い返す事は出来ないんでしょうか?」

「そうよ!!誰かからノートパソコンを貸して貰えば…」

その時、デーモンの高笑いが京の言葉を遮り、炎を放ち続けたままデーモンは両手を掲げる。

するとデーモンの頭上の空間に歪みが現れ、それは見る見る内に広がり現実世界とデジタルワールドを繋げる穴へと変化した。

「ほら、望み通りゲートを開いてやったぞ」

その穴の向こうに見えるのは、見慣れた荒野が広がる世界。

「あいつ…自分だけでデジタルワールドへのゲートを開けるのか?」

「そうだ。私達は現実世界、デジタルワールドへのゲートを開くことが出来る。つまり両世界を自由に行き来出来るのだ。」

デーモンが嘲笑を浮かべながら言う。

「じゃあ、お前をぶっ潰すしかねえってことかよ…!!」

「いや、お前達に私は倒せん…!!」

更にデーモンの業火の勢いが増し、インペリアルドラモンXDMに迫る。

インペリアルドラモンXDMも必死にパワーを上げるが追い付けない。

「駄目よ……私達じゃ、勝てない……!」

「諦めるな、まだ勝てる方法があるはずだ。」

「気休めは止して下さい!」

「伊織…」

「だってそうでしょう!?インペリアルドラモンでも敵わない、デジタルワールドに追い返しても意味が無い!それなのに、その上まだどのような方法があると言うんですか!もう、お終いなんだ!」

「いや…後少しなんだ。後少しエネルギーがあれば何とかなるんだ…問題はそのエネルギーを何処から調達すれば…」

「エネルギー…?そうだ、ホーリーエンジェモン達のチンロンモンのパワーをブイモンに渡すんだ!!そうすれば…」

タケルがホーリーエンジェモン達のチンロンモンの力をブイモンに渡すことを思いついた。

「そうか…すまねえ…お前達の力を貰う!!」

インペリアルドラモンXDMの体が光り、ホーリーエンジェモン達のパワーがベースとなるエクスブイモンに渡されたのだ。

「インペリアルドラモンXDM、モードチェンジ!インペリアルドラモンXFM(イクスファイターモード)!!スーパーポジトロンレーザー!!」

「むっ!?」

人型形態となったことで光線の規模と勢いが増し、デーモンの業火が押され始める。

デーモンは慌てて業火の勢いを強めたが、即座にインペリアルドラモンXFMの胸部の竜顔が開き、小型の砲門が出現する。

「ギガデス!!」

胸部から放たれたエネルギー波はデーモンの業火を突き破った。

「ば、馬鹿な!?ぐああああああ!!」

エネルギー波と光線はデーモンに同時に炸裂した。

「「っ!!」」

京と伊織が立ち上がって上空の煙を見上げ、賢は静かに呟いた。

「やったのか…?」

「いや、まだだ!!インペリアルドラモン!!」

まだ倒せていないと判断した大輔は指示を飛ばすとインペリアルドラモンXFMは翼を羽ばたかせ、煙を突き破って一気にデーモンとの距離を詰める。

「っ!!」

煙の奥にいたのは全身に火傷を負ったデーモン。

デーモンは目を見開いて接近して来るインペリアルドラモンXFMを見つめる。

「だああああああ!!」

拳と蹴りの乱打をデーモンをデーモンに浴びせる。

「ぐっ!!調子に乗るな!!」

デーモンが左腕を掴むとインペリアルドラモンXFMの左腕の手甲を破壊する。

「ドラゴンキック!!」

構わずインペリアルドラモンXFMの踵落としがデーモンの脳天に炸裂した。

踵落としを喰らったデーモンは地面に叩きつけられた。

「よし、インペリアルドラモン!!そいつをデジタルワールドに!!デジタルワールドでカタを付けるぞ!!」

大輔達はインペリアルドラモンXFMの光に包まれ、インペリアルドラモンXFMの肩に。

そしてデーモンを上空のゲートに押し込む。

「大輔君?」

「これ以上は危険だ。デジタルワールドなら被害を気にしないで戦える」

デーモンが出現させたゲートを潜り抜け、デジタルワールドに移動する。

「さあ、始めようぜデーモン。ここで終わらせてやる」

「終わらせるだと?笑わせるな!!フレイムインフェルノ!!」

インペリアルドラモンXFMに迫る灼熱の業火。

それをインペリアルドラモンXFMは光のバリアを展開し、それを受け止めた。

「…はあっ!!」

気合いを入れると業火は消え、インペリアルドラモンXFMはすぐにバリアを解除してデーモンの顔面を殴り飛ばして回し蹴りを喰らわせた。

「ぐっ!!」

「どうした!?七大魔王の力ってのはこの程度か!!」

「調子に乗るな…!」

インペリアルドラモンXFMとデーモンが乱打戦を繰り広げる。

しかし真の力を解放したインペリアルドラモンXFMはデーモンを上回り、デーモンの攻撃の打点をずらし、的確にデーモンの急所に打撃を当てていく。

「ぐはあっ!!?」

「お前は確かに強い。でも俺にはみんなの力が宿ってるんだ。真の力を解放したことでようやくみんなの力を全開にして戦える。お前1人の力には絶対に負けない。俺達の力を見くびったのがお前の敗因だ」

「己!!」

デーモンは飛翔して再び必殺技を放とうとする。

「いいのか?その位置で…?その位置は俺が遠慮なく最大級の必殺技を放てる位置だ。」

竜顔が開いて小型の砲門が出現すると、腕の大砲を連結させた。

「フレイムインフェルノ!!消し飛べ!!」

デーモンの全力が込められた業火がインペリアルドラモンXFMに迫る。

「消し飛ぶのはお前だ!!これが全力全開のギガデスだあああああ!!!」

連結砲から放たれたエネルギー波の出力・規模は凄まじく、先程のエネルギー波よりも数倍の威力があった。

エネルギー波により業火は容易く掻き消される。

「!?うわあああああ!!?」

超強烈なエネルギー波に飲まれたデーモンはデータ粒子となって消えていく。

「や、やったんですか…?」

「…ああ」

尋ねてきた伊織にインペリアルドラモンXFMは優しく微笑みながら答えた。

【やったー!!】

七大魔王・デーモン撃破。

闇の存在として最強のデジモンの1体を倒せたことに子供達は歓喜した。

「やったね大輔君!!」

「ああ!!」

抱き締めあう大輔とヒカリ。

「まあ、タケルが思い付かなかったら負けてたけどな」

「あはは、まさかこうも上手く行くとは思わなかったけど」

「賢君!!私達、勝ったのよね!?これは夢じゃないわよね!!?」

「はい、デーモンは倒せましたよ京さん」

喜びのあまり賢に抱き付く京だが、ハッとなってすぐさま賢から離れる。

「あ、あはは!!ご、ごめんね賢君!!つい…」

「京さん、顔がトマトのように真っ赤です…あうっ!?」

「お黙り!!」

ツッコミを入れる伊織に京の拳骨が炸裂した。

分離・退化したブイモン達は晴れ晴れとした表情でデジタルワールド独特の空を見上げた。 
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