| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百話 森鴎外という人その十一

「どうしてもね」
「そんなものですか」
「とてもね、まあそれはね」
「僕も四十代になったらですか」
「わかるよ」
 その時にというのだ、そう話してだ。
 僕はこの日は図書館で森鴎外のことを少し調べた、すると脚気のことが書いてあった本もあってその本では鴎外はかなり批判されていた。
 そのことを読んでから図書館を出るとそこで留美さんと円香さんの三人と再会してそうしてこう言われた。
「図書館でか」
「読書をしていましたの」
「ちょっとね、読むよりもね」
 今思うとだ。
「お話していたよ、図書館の先生と」
「そうだったのか」
「先生と」
「うん、森鴎外のこととか親父のこともね」
「お父上のこともか」
「お話していたんですか」
「うん、あの親父はどうもね」
 二人にあの親父のことも話した。
「体力あるらしいね」
「そうでないとだ」
 留美さんは僕の言葉にすぐにこう返した。
「いつも遊べないな」
「それ先生にも言われたんだ」
「そうだったのか」
「うちの親父有名人だけれど」
 八条家の人の中でもこの学園の中でもだ、名医ということよりもその無茶苦茶な遊び人ぶりの方でだ。
「あそぶのにも体力がいるって言われて」
「それでか」
「四十代になると」
 人間はだ。
「遊ぶことも大変になるらしいね」
「体力が落ちてだな」
「そうも言われたよ」
「そうだったのか」
「確かに親父疲れ知らずだし」
 僕が知る限り毎日飲んで遊んでだ、仕事をしていないか家で家事をしていないかだといつもそうしている。
「毎日睡眠時間三時間位かもね」
「徹夜はされないか」
「身体によくないって言ってね」
 僕にも毎日絶対寝ろと言ってくる。
「そう言ってね」
「毎日寝ておられるか」
「それは守ってるね、そしてね」
 そのうえでだ。
「毎日遊んでいるよ」
「そうなのか」
「それでね」
「四十代になっても遊べることはか」
「凄いって言われたよ」
「体力が続かないからか」
「うん、そうも言われたよ」
 実際にだ。
「四十代になるとそうなるのかな」
「父もそう言っていました」
 円香さんがここでこう言ってきた。
「歳を取りますと」
「体力が落ちてだね」
「何をするにも疲れると」
「そうなるってだね」
「よく言っています」
「そうなるんだね、まあ親父はね} 
 あの親父についてはだ。
「疲れ知らずだからね」
「その疲れ知らずがです」
「凄いんだね」
「お身体に気をつけているのでしょうか」
「いや、気をつけていたらね」
 それならだ、そもそも。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧