| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百話 森鴎外という人その七

「それに八条大学にいたら」
「先生八条大学出身でしたね」
「寮にも入っていたよ」
「この学園の寮は高等部でも」
 何しろ十五歳から飲んでいい町だからだ。
「もうお酒はお水みたいにありますよね」
「食堂行けば欲しいだけね」
 大学の寮でもというのだ。
「飲めるからね」
「だからですね」
「どれだけ飲んだか。けれど」
「今はですか」
「もうね」
 それこそというのだ。
「控える様に言われていて」
「奥さんにもですね」
「それでね」
「残念ですか」
「うん、だからね」
 それでというのだ。
「困っているよ」
「高血圧も大変ですね」
「一升瓶一本とかはね」
 そこまで飲むことはというのだ。
「駄目だってね」
「一本はですか」
「言われてね」
 それでというのだ。
「困ってるんだよ」
「まあ一升瓶一本は」
「かなり飲んでるね」
「僕もそれ位飲みますけれど」
 それでもとだ、僕は先生に話した。
「高血圧だと気をつけないといけないですね」
「高血圧から色々な病気になるからね」
「ですから」
 親父もこう言っている、高血圧や糖尿病はそこから色々な病気になるからこそ怖いとだ。
「もうここは」
「お酒はだね」
「気をつけられるべきです」
「そうだね」
「ただ。先生もそれをですね」
「森鴎外に言われたらね」
 先生はまたこう言った。
「聞かないよ」
「説得力ないね」
「僕達から見るとね」
 どうしてもというのだ。
「ないよね」
「はい、どうしても」
「脚気のことを見たら」
「藪医者っていう人もいますね」
「幾らエリート中のエリートでもね」
 経歴がどれだけ凄くてもだ。
「あれじゃあね」
「誰も診察とか受けたくないですね」
「というか診察したことあるかな」
 先生はこの時点で疑問だった。
「森鴎外は」
「ずっと学問をしていて」
「官僚だったからね」
「診察をする様な人じゃなかったですか」
「基本官僚だったから」
 それも陸軍の中にいるという官僚の中でも特殊なケースだ。
「そのことを想定して育成もされてきたから」
「だからですか」
「診察はね」
「お医者さんでもですね」
「したことあったかな」
「その時点で疑問ですか」
「お医者さんでも現場じゃないから」
 医学自体を進歩させることを担われた人だった。
「言うならね」
「現場を知らない人ですね」
「うん、だからこそね」
「ああした失敗もしたんですね」
「そうだと思うしね」
 現場、戦場で脚気患者が倒れていて海軍ではそうでない状況をだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧