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八条学園騒動記

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第四百九十八話 朝風呂でその一

              朝風呂で
 ジュディは飲んだ後でプリシラを家まで送ると言った、だがプリシラはその申し出を無表情で断った。
「大丈夫よ」
「いや、相当に酔ってるから」
 それでと言うジュディだった。
「それで女の子一人で帰ると」
「危ないっていうのね」
「何かあってからじゃ遅いから」
「そう言ってジュディが帰りに」
 プリシラを送ってというのだ。
「そうなるわよ」
「いや、それでもね」
「酔ってるからなの」
「それも泥酔でしょ」
「否定しないわ」
 見れば表情も顔の色も変わっていないが目に出ていた、それは完全に酔っている人間の目であった。
「そのことは」
「そうでしょ、だったらね」
「送ってくれるの」
「そうするわよ」
「いいわ。それ位なら」
「それ位なら?」
「替えの下着あるから」
 それでと言うプリシラだった、今度は。
「貴女の分も」
「あんたの家に泊まれっていうの」
「送ってくれるなら」
「いや、それ言ったらね」
 それならとだ、ジュディはあらためて言った。
「もうあんたがね」
「ここでなの」
「泊まって」
 そうしてというのだ。
「寝たら?」
「そうしていいの」
「いいわよ。替えの下着あるんでしょ」
「色は上下共緑で」
「緑なの」
「好きだから」
 この色がというのだ。
「そうした色の下着をね」
「買ってるの」
「基本白で」
 プリシラはジュディに下着の色をさらにした。
「その緑に青、ピンク、黄色ってね」
「青はどんな青なの?」
「コバルトブルー」
 この色だというのだ。
「それとベージュ」
「大体オーソドックスな色ね」
「これが黒とか紫は」
「そうした色の下着はなの」
「持ってないわ」
「そうなのね」
「というか黒だと」
 この色の下着はというと。
「刺激的過ぎないかしら」
「よく黒下着は色気あるっていうけれどね」
「私そうした色の下着は」
「抵抗あるのね」
「だから」
 それ故にというのだ。
「持ってないの」
「そうなのね」
「紫も」
 こちらの色の下着もというのだ。
「あまり」
「ううん、私もどっちも持ってないけれど」
「紫も黒も」
「プリシラは似合うと思うわ」
 黒や紫の所謂大人のものとされる色の下着もというのだ。
「デザイン次第だけれどね」
「そうかしら」
「ええ、色白でスタイルいいから」
 この二つの要素があるからだというのだ。
「似合うと思うわ」
「そうなの」
「けれどプリシラとしてはなのね」
「そうした色の下着はね」
 どうしてもというのだ。
「好きじゃないから」
「それでなのね」
「あまりね」
 どうにもというのだ。 
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