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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十九話 柿の美味しさその二

「だからね」
「美味いな」
「そうですね」
「食べ頃の柿ばかりだから」
 有り難いことにだ。
「美味しいよ」
「柿は好きだが早いとだ」
 留美さんは僕達と一緒にそれぞれのメインを受け取りに向かいながら話した、メインを忘れては柿を食べても本末転倒だ。
「やはりな」
「渋いからね」
「だからだ」
「あまり早い柿はね」
「歯ざわりは大事だが」
 どうも留美さんは固い柿の方が好きみたいだ、実は僕もそうで熟れ過ぎて柔らかくなった柿はあまり好きじゃない。
「しかしな」
「早いとね」
「渋みが残っていてだ」
 まさにその為にだ。
「それでだ」
「よくないから」
「それでだ」
 こう僕に話してくれた。
「時期が大事だ」
「食べるそれがね」
「早い方がいいが」
「早過ぎたらね」
「よくない、林檎も早い方が好きだがな」
「食感がいいからだね」
「古い林檎は柔らかくなる」
 どうしてもそうなる、果物ならどれもそうだと思うけれど柿や林檎はその食感故に特に重要になると思う。
「固くしっかりとした食感でないとな」
「駄目なんだね、留美さんは」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「林檎も新しい方が好きだ」
「それで柿もだね」
「新しい、固い食感である方がな」
「いいんだね」
「だから楽しみだ」
 留美さんは今自分のお盆の上にある柿を笑みを浮かべて見た、そのうえで微笑んでこう言ったのだった。
「ではお昼の後にな」
「デザートとしてね」
「食べよう」
「それでは」
 こう話してだ、そしてだった。
 僕達は空いている場所に三人で座ってだ、そのうえでお昼を食べた。僕のお好み焼き定食を見てだった。
 円香さんは豚骨ラーメンを食べつつ僕にこう言ってきた。
「何といいますか」
「何とっていうと」
「関西ですね」
「ああ、お好み焼き定食は」
「しかもお好み焼きは大阪のものなので」
 関西では広島のものは広島焼きと言ったりする、若しくは広島のお好み焼きとあくまで大阪の方が本場だと言う。
「ですから」
「余計にだね」
「関西だと思いました」
「うん、確かにお好み焼き定食はね」
「関西ならではですね」
「この炭水化物と炭水化物のコラボレーションはね」
 まさにだ。
「関西だよね」
「はい、実は私今日は御飯もと考えていましたが」
「ラーメン定食だね」
「二限目の後のお弁当の量が多くて」
 八条荘で貰ったそれがだ、僕もそれを食べている。
「ですから」
「今はなんだ」
「はい、ラーメンだけにしました」
「私もだ」 
 留美さんも親子丼を食べつつ言ってきた。
「お昼お弁当が多かった」
「だからなんだ」
「ここにおうどんもつけたかったが」
 留美さんも炭水化物と炭水化物のコラボレーションだ、関西ではこうした組み合わせが普通だけれど他の地域では違うみたいだ。 
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