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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十九話 柿の美味しさその一

                第百九十九話  柿の美味しさ
 僕はお昼休み留美さん達と約束した通りに柿が出る食堂に向かった、すると丁度その入り口でだった。
 留美さんそして円香さんと会った、留美さんの方が僕に言ってきた。
「実はだ」
「食堂に入る前にかな」
「うむ、今からな」
 こう僕に言うのだった。
「食堂の前で待っているとだ」
「メールしてくれるつもりだったんだ」
「中にいるかもと思っていたが」
「それでもだね」
「連絡しようと思っていた」
 そうだったというのだ。
「しかしな」
「今会ったからね」
「丁度いい」 
 留美さんは僕に微笑んで言ってくれた。
「それではな」
「これからだね」
「一緒に入ろう」
 食堂のその中にというのだ。
「そうしよう」
「それじゃあね」
「そしてだ」
 留美さんは僕にさらに話した。
「メインはそれぞれだが」
「デザートはね」
「いいな」
 僕に真剣な顔で確認を取ってきた。
「柿だ」
「わかってるよ、僕だってね」
「柿を食べたくて来たのだからな」
「だからね」
 まさにそれ故にだ。
「ここに来たし」
「それならな」
「是非食べて」
 そしてというのだ。
「柿の味を堪能しよう」
「遂にですね」
 円香さんは僕に笑みを浮かべて言ってきた。
「この時が来ましたね」
「柿を食べる時がね」
「はい、今年はじめてです」
「柿を食べることは」
「ですから」 
 それだけにというのだ。
「余計に楽しみです」
「初鰹ならぬ初柿かな」
「そうですね」
 円香さんは僕の今の冗談めいた言葉にくすりと笑って答えてくれた、そしてそのうえで僕だけでなく留美さんにも言った。
「では」
「今からね」
「食堂に入ろう」
「そうしましょう」
 こう話してだ、僕達は三人で食堂の中に入った、食堂の白い長方形のテーブルが数えきれないだけ連なっていてそこにもう結構な数の生徒や先生が座っていてそれぞれの食べるものを食べている。僕達はその食堂の中に入って。
 そしてだ、僕達はまず食券を買った。僕はお好み焼き定食を買って留美さんは親子丼円香さんは豚骨ラーメンの券をそれぞれ買った。そして。
 三人共今日のデザートと書かれた券のボタンを押した、これこそがだ。
 柿の券だ、僕はその券が販売機から出て来て手に取ってから言った。
「これでね」
「うむ、後はな」
「柿を貰えばいいですね」
「そうだね、ここの柿はね」
 僕は二人に笑顔で話した。
「大学の農学部や農業科のものだったりもするから」
「高等部の農業科だな」
「あちらのですね」
「うん、採れ立てでね」
「新鮮でな」
「とても美味しいですね」
「しかも選んで採られてるから」
 このこともいいことだ。 
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