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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十七話 読破してその十四

「さもないと駄目だからね」
「まあ普通はそうネ」
「普通の人はそこはちゃんと守るある」
「義和の言うその作品も作者もおかしいネ」
「人間として間違っているある」
「だから思っているんだよ、二度と創作して欲しくないって」
 こんなことを想ったのはその人にだけだ。
「創作も人間も読者も馬鹿にするなってね」
「世の中自分以外の全部を馬鹿にしている人もいるけれド」
「その作者さんもあるか」
「どんな生い立ちだったか知らないけれど」
 もっと言えば知りたくもない。
「本当にどうにもならないよ」
「よく編集もそんな作品続けてるネ」
「日本名物打ち切りにならないあるか」
「まだ人気があるから」
 流石に最近あんまりにも酷い展開で読者人気も落ちているらしい。
「それでだよ、けれどこのままだと」
「人気が落ちてネ」
「打ち切りあるな」
「それで終わってもいいよ」
「ストーリーが途中でモ」
「それでもあるか」
「だってあんまり酷い作品だから」
 正直一旦読んだら終わるまで読んでみようと思って読んでいるだけだ、僕にしても。無料だしリスクもない。
「それで終わってもね」
「いきなりぶった切られてモ」
「それでもあるな」
「うん、どんな終わり方でもね」
 それこそさっき思った永井豪先生の作品の多くにある最終回いきなり作品世界が崩壊するハルマゲドンみたいな結末でもだ。
「いいよ」
「義和思い入れないネ、その作品ニ」
「それはないあるか」
「昔はあったけれどもうないよ」
 展開が酷いにも程があってだ。
「さっさと終わって欲しいよ」
「終わるのが惜しい作品もあれバ」
「そんな作品もあるあるな」
「そうだね、早く終わって欲しいよ」
 そして作者は二度と創作をして欲しくない、本当にそう思った。
 二人とのお話を終わってだ、僕は二時間位自分の部屋で勉強をしてから寝る前にお酒を飲もうと思った。
 それで食堂に行ってお酒を探そうとしていたら丁度畑中さんに会った。
「あっ、畑中さんもお酒を」
「はい、少し飲もうと思いまして」
 こう僕に話してくれた。
「それでこちらに」
「僕と同じですね」
「梅酒を飲もうと思いまして」
「梅酒ですか」
「今宵は」
 この日はというのだ。
「そちらをです」
「飲んで、ですか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「寝ようと思っています」
「そうですか、梅酒ですか」
「義和様も如何ですか」
 畑中さんは僕に微笑んで言ってきた。
「梅酒を」
「そうですね、最近ワインが多いですが」
 思えば夏休みからずっとだ、合宿の時は日本酒ばかりだったけれどハウステンボスからはずっとそうだ。
「梅酒もいいですよね」
「美味しいですね」
「それじゃあ」
「義和様もですね」
「梅酒にします」
 こう畑中さんに答えた。 
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