八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十七話 読破してその八
「誰も見捨てるからね」
「そうなるよね、人間関係もそうだし」
「どっちのサイトも利用者が凄く多くなって」
それこそ何十万となったらしい、その国の中で。
「広告収入もかなりになって」
「そこで運営も思い上がって」
「利用者をそう思ってね」
これも勘違いだと思う、利用者をそうした意味での利用出来る『もの』と思ってだ。
「人には心があるから」
「その心を無視してね」
「コケにしたら」
「絶対にしっぺ返しがあるから」
「それでどっちのサイトも潰れたんだね」
「結果ね」
「どっちもその連中こそ荒らしだってね」
所謂通報厨、しかも悪質なそうした連中がだ。
「運営に言ってる人も多かったらしいよ」
「けれど運営はそうした意見は聞かなかったんだね」
「そういった連中を荒らしとは考えずにね」
「放置していたんだね」
「それでね」
まさにその結果としてだ。
「サイトから人が去って」
「潰れたんだね、サイト自体も」
「そうなったんだ、だからね」
それでとだ、僕は原田君に話した。
「そうした連中はサイトにとって一番悪質だと思うし」
「それにだよね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「いや、僕もそうしたサイトにはいたくないね」
心からこう思った。
「本当に」
「そうだよね、僕もだよ」
「読者でもね」
「運営が駄目なサイトはね」
「何時か悪いことになるから」
このことは間違いない、それでだ。
そうしてだ、僕はまた三銃士を読んだ。あと五十ページは僕にとっては然程長いものではなくそれも読み終わった。
それでだ、読破してだった。
そのお昼に図書館でジューンさん水蓮さんにその時のことを話した。
「感想を言うとね」
「やっぱり面白かったのネ」
「最後まで読んでもあるな」
「うん、最後の最後までね」
僕は二人にその結末のことも話した。
「よかったよ、大団円だったしね」
「確かロシュフォール卿や枢機卿とも和解したのよネ」
ジューンさんが僕にこのことを聞いてきた。
「そうよネ」
「そうだよ、それでもね」
「それでも?」
「第二部じゃ枢機卿いないんだよね」
リシュリュー、この人はだ。
「敵役でも魅力的なのに」
「それが残念よネ」
「史実でも亡くなってるし」
ダルタニャン物語が史実を基にしているのでこのことは避けられない、そこにかなりの創作が入っていてもだ。
「だからね」
「枢機卿さんはいないのネ」
「そうだよ」
「それは寂しいわネ」
「ジューンさんリシュリュー好きなんだ」
「敵役でも立派じゃなイ?」
だからだとだ、ジューンさんは僕に言ってきた。
「陰謀は働くけれど堂々としていテ」
「まあね、だからロシュフォール卿もね」
「仕えているのネ」
「あれだけの人がね」
「そういえばある」
水蓮さんも言ってきた。
「シラノ=ド=ベルジュラックもあの人の家臣だったあるな」
「別の作品の主人公だったね」
「あの人もあるな」
「うん、あの人もね」
「リシュリュー枢機卿の下にいたあるな」
「それでフランスの為に働いていたんだ」
だから三銃士とシラノ=ド=ベルジュラックは近い時代の作品となる、日本で言うと暴れん坊将軍と大岡越前みたいなものか。この二つの時代劇は同じ時代の作品だ。お互いの主人公が役者さんが違っても出ている。
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