八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十五話 カップリングその四
「問答無用でネ」
「火炙りだね」
「それを覚悟しないとネ」
「そんな風だったんだね」
「これ冗談じゃなくテ」
かつてのキリスト教世界ではだ。
「同性愛、女装なんかもネ」
「絶対のタブーだったんだね」
「そうヨ」
まさにというのだ。
「拷問のフルコースが前に付いテ」
「火炙りだね」
「地獄に送られていたわヨ」
「恐ろしいね、日本人の感覚だと」
「同性愛も女装モ」
「そこまでならないから」
どっちでも捕まった人はいない、歴史上一人もだ。
「織田信長さんもね」
「それで批判されてないわネ」
「それどころかね」
「どうして批判されるのカ」
「わからない位だよ」
「宗教の違いあるな」
水蓮さんはこう言った、中国では仏教よりも道教だ。
「まさに」
「そうだね」
「それで美少女化も女装も何でもありあるな」
「日本だとね、しかし三銃士も」
考えてみればだ。
「ライトノベルみたいなお話ならね」
「同性愛も美少女化もあるわネ」
「女装もあるな」
「うん、今アレンジされた作品が出るなら」
戦国ものや三国志ものみたいにだ。
「当然としてね」
「同性愛も美少女モ」
「どっちもあるな」
「あるかもね、何か三銃士が同性愛になったら」
所謂ボーイズラブ作品だ、我が国では一つの文化になっていて作品のジャンルとして完全に確立されている。
「凄いだろうね」
「そうよネ」
「どんな作品になるかあるな」
「楽しみではあるね」
こう言ってだ、僕は三銃士を読んだ。そして二人もそれぞれの本を読んでいったけれどその時にだった。
水蓮さんは猫の本を読んでいてだ、こんなことを言った。
「猫はいいあるな」
「あっ、猫?」
「物凄く可愛いある」
見れば猫の専門書だ、その本を熱心に読みつつ言っているのだ。
「特にスコティッシュフォールドが」
「ああ、あの垂れ耳の」
「垂れ耳とは限らないあるがな」
「まあ特徴だよね」
「全体的に丸くて愛嬌があるある」
「それとネ」
ジューンさんは犬の本を読んでいたが猫の話に入ってきた。
「あの座り方がいいワ」
「スコ座りあるな」
「あれが可愛いよネ」
「そうあるな、あの座り方もいいある」
「スコティッシュフォールドというか」
僕は二人の話を聞いて言った。
「親戚で猫好きの人いるんだ」
「八条家の人であるか」
「そうした人がいるノ」
「その人は女の人でね」
僕の従姉にあたる、今は八条テーマパークの事務部にいて修行中だ。奇麗でしっかりしているけれど酒癖が悪いのが困りものだ。
「いつもお家に猫十匹飼っているんだ」
「それでその中にスコティッシュフォールドもいるあるか」
「そうなのネ」
「一匹いるよ、白くてでかくて垂れ耳の子が」
白地に黒やグレーの模様が入っている、顔も身体つきも目も足も全てが丸い。
「オスでね」
「可愛いあるか」
「美形だね」
顔立ちはかなり整っている。
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