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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十四話 それぞれの国の活劇その六

「それでもある」
「あんなにもてはしないんだ」
「残念ながらそうある」
「長い恋愛ものはネ」
 ジューンさんも言ってきた。
「やっぱりネ」
「悲しい結末あるな」
「そうなる場合多いネ」
「それが華やかならそうである程度あるな」
「風と共に去りぬモ」
 ジューンさんは映画にもなったその名作の話もした、作品の舞台は南北戦争の頃の南部というアメリカの中でもかなり独特の時代と地域だ。
「悲しいしネ」
「あれ終わってるあるか?」
「レッドバトラーが去って終わりヨ」
「何かもう寝ましょうって言って終わったのではないあるか」
「そうだっタ?」
「そうだったと思うあるが」
「風と共に去りぬはどうして終わったのかな」
 僕も二人の話を聞いてこのことが気になった。
「一体」
「だからレッドバトラ―が去ってヨ」
「もう寝ましょうだったある」
 二人の言うことはそれぞれ違っていた。
「間違いないあるよ」
「あの名場面で結末だったワ」
「そのこと調べてみるね」
 僕は二人に答えてだ、丁度朝の支度の時間になったので自分の部屋に戻った。そうして歯も磨いて鞄も持ってだった。
 バスに乗ってそれから学校に行ってだ、すぐにスマホのネットで検索をすると水蓮さんの言う方だった。
 けれどだ、よく見るとだ。
「風と共に去りぬって続編だったんだ」
「その作品に何かあるのかな」
 丁度僕の近くにいたアメリカからの留学生ジョーンズ君が言ってきた、明るいブロンドの髪にライトブルーの目の白人の子だ。背は一七五位だ。
「こっちでも有名な作品だけれど」
「いや、あの作品終わってもなんだ」
「続編あったよ」
「作者さんは違うけれど」
「だって変な終わり方じゃない」
 ジョーンズ君は風と共に去りぬの結末についてこうも言った。
「あれは」
「もう寝ましょうで終わるから」
「絶対に続きあると思うよね」
「それがないから」
「変な終わり方だよ」
「打ち切り漫画でもないね」
 打ち切り漫画でよくあるのは俺達の戦いはこれからだという感じだろうか。ある週刊少年漫画雑誌の打ち切りパターンの一つだ。
「それは」
「そうだよね、本当にね」
「だからなんだ」
「別の作者さんがね」
「続き書いたんだ」
「あの作品はそうなんだ」
「ううん、何か水滸伝みたいだね」
 水滸伝の後の水滸後伝をここで思い出した。
「それだと」
「そうだね、けれどね」
「けれど?」
「あの作品はね」
 実際にというのだ。
「そうして続きがあって」
「終わるんだ」
「そうなんだ、そのまま続き書かなかったし」
「ううん、漫画の連載でもたまにあるけれど」 
 一時休止がそのまま終了になることはだ。
「そんな流れだね」
「結構以上に嫌な展開だよね」
「書いたらね」
 その作品をだ。
「やっぱりちゃんとね」
「終わらせて欲しいよね」
「うん、僕もその話を聞いたら」
 結局作者さん自身がそうしたところで終わっているならだ。
「もうね」
「もう?」
「レッド=バトラーが去ったところでね」
 まさに風と共に去りぬという風にだ。
「終わりと思いたいね」
「あの場面凄い印象的だからね」
「そう思うよ」
 ジューンさんがそこで終わりだと思っていた様にだ。
「あの場面奇麗だし」
「映画でもね」
「文字通りの名場面だから」
 だから映画にもなるのだろう、ヒロインをお姫様の様に抱えて階段を上る時もそうして去る時も実に恰好いい。 
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