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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十三話 アフリカの話その二

「今もね」
「正体不明か」
「当時から徹底して監視されてたし」
 外に出さずにしかも何か語ることも許さなかった。
「外に手紙も送れなかったし」
「それ絶対に何かあるよな」
「そうだよな」
 皆僕の話に顔を見合わせて話した。
「鉄仮面にな」
「洒落になってない秘密あるよな」
「それは間違いないと思うけれど」
 僕もそう思うけれどだ。
「けれどその正体はね」
「今もわかってないんだな」
「誰だったか」
「それで三銃士の続きのお話に出て来るんだよ」
 ダルタニャン物語の最後の話だ。
「ミステリーの要素としてね」
「何者だったんだろうな、本当に」
「冗談抜きで王様と関係あったのかもな」
「確か当時のフランスの王様ってルイ十四世だろ」
「そうだったよな」
「うん、あの有名なね」
 太陽王だ、教科書にも出て来るので皆知っている。
「あの王様だよ、けれどね」
「けれど?」
「けれどか」
「本当にあの王様と鉄仮面に関係はあったか」
 このことはだ。
「まだわかってないんだよね」
「実際にはどうだったか」
「そのことはか」
「うん、証拠は残ってないし」
 まさに徹底的に消された。
「ひょっとしたら葬られたお墓の死体を調べたら」
「DNAでも調べてか」
「そのうえでね」
「ルイ十四世も調べるんだな」
「そうしたらわかるかも知れないけれど」
 今の技術ではだ。
「それでもね」
「そうでもしないとわからない位か」
「そうなんだよね」
「それはかなりだな」
「それに鉄仮面のお墓も」
 これもだ。
「わかってないしね」
「墓ないのかよ」
「そうなのかよ」
「そうみたいだよ」
「それじゃあな」
「もうな」
 皆僕の話を聞いて言ってきた。
「わからないか、もう」
「何処の誰かな」
「遺体があったらDNA鑑定してわかるけれどな」
「骨からでもな」
「それでも死体が何処にあったかわからないなら」
「どうしようもないな」
「うん、本当に謎のままだよ」
 鉄仮面の正体はだ。
「デュマの小説だと王様の兄弟みたいだけれど」
「そのルイ十四世の」
「兄弟だったよな」
「このことも真相は不明だしね」
 あくまで小説の話だ、とはいっても有力な説の一つではある。
「本当に正体不明のままなんだよ」
「僕が聞いた話だと」
 アメリカからの留学生のジョーンズ君が言ってきた、背は百九十以上あるアフリカ系の子だ。物凄い高身長だけれどアメリカのバスケでは小柄というから凄い。
「鉄仮面ってクロムウェルみたいだよ」
「クロムウェルって」
「あの清教徒革命のね」
 ジョーンズ君は教科書にも出て来る歴史的事件の名前を出してきた。
「イングランドの」
「うん、そうだよね」
「あの革命の指導者だけれど」
「鉄仮面はその人って説があるんだ」
「僕そうした説を聞いたよ」
「それ本当かな」
「流石に違うと思うよ」
 話を出したジョーンズ君自身の言葉だ。 
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