八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百九十話 翌朝に話したことその六
「実際に食べると力が出るから」
「だからなんだね」
「納豆をかけたりして食べたら」
これからそうする、実際に。
「これが最高に美味しいから」
「それでだね」
「外国の人にも人気があるのよ」
「そうなんだね」
「あたしも好きだしね、朝御飯に御飯は」
「パンよりもだね」
「そうよ、お茶漬けでもいいしね」
朝はというのだ。
「とにかく御飯がいいわ」
「じゃあ今朝は」
「思いきり食べるわ」
納豆をお箸でかき混ぜつつ言ってきた。
「そうするわ」
「じゃあ僕もね」
「食べるわよね、御飯」
「納豆をかけてね」
他のおかずと一緒にだ、それで僕は実際に納豆をかけた御飯を食べてそのうえで他のお味噌汁等も食べた。最後に梅干しを食べてだ。
すっきりしてご馳走様を言ってから食器をさげて食堂を後にした、そして歯を磨いてから皆と一緒にバスで学校に行った。
そして学校でだ、部活の朝練の後でクラスで三銃士を読んでいるとクラスメイトでフランスから来ているアルトネ君が言ってきた。
「三銃士読んでるんだ」
「うん、そうなんだ」
「それ日本でも人気あるんだね」
「そうだよ」
僕はアルトネ君に笑顔で答えた。
「面白いからね」
「それは何よりだよ」
「何よりなんだ」
「フランス文学の代表作の一つだから」
それでというのだ。
「日本だと太平記や平家物語みたいなものでね」
「太平記かな」
「違うかな」
「太平記とは違うんじゃないかな」
軍記ものとはとだ、僕はアルトネ君に返した。
「むしろ八犬伝じゃないかな」
「里見八犬伝だよね」
「そっちじゃないかな」
「ファンタジーなんだ」
「いや、活劇だからね」
戦場で采配を振るったりして戦う話じゃなくて剣を手にして一騎打ちをメインに戦う物語だからだ。
「僕はそっちかなって思ったけれど」
「それでなんだ」
「違うかな」
「どうかな」
アルトネ君は僕の言葉に首を傾げさせて返した。
「八犬伝かな」
「違うかな」
「ううん、そう言われたら時代劇かな」
今度はこう言ったアルトネ君だった。
「三銃士は」
「剣を出して戦うから?」
「そっちかな」
僕に考える顔で言ってきた。
「そうなるかな」
「そうなんだ」
「うん、時代的にも江戸時代だしね」
当時のフランスは日本で言うとその時代だ。
「三十年戦争とかの」
「それでそう言うんだ」
「長七郎江戸日記みたいな」
「よく知ってるね、そんな作品」
「寮で時代劇チャンネル人気があるんだ」
アルトネ君は僕にこう言ってきた。
「それで僕もこの江戸日記観ていてね」
「知ってるんだ」
「そうなんだ、大体そんな時代だしね」
「三銃士は時代劇だっていうんだ」
「映画なんかそのままだよ」
現代のフランス人としてはというのだ。
「もうね」
「そうなんだ」
「ああ無情も江戸時代だけれど」
日本で言うとだ。
「剣抜くからね、三銃士は」
「それでなんだ」
「チャンバラでね」
ここでも日本に例えてみると、の話になった。
ページ上へ戻る