八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八十九話 武力と暴力その十
「それがです」
「今ではですね」
「物凄くいやらしい悪相になってますね」
「それだけの悪を為してきたということです」
「腐敗した権力者として」
「はい」
文字通りにというのだ。
「その結果です」
「ああしてですね」
「悪相になるのです、あれはまさにです」
「権力を悪に使った」
「そのサンプルです」
そのサンプルが長年垂れ流した害毒で日本はどれだけの目に遭ったのか、そう思うと僕はあの輩の顔を思い浮かべて凄まじい嫌悪を感じた。
「ですが」
「いい方向に使えばですね」
「権力もです」
「素晴らしいことを為すことが出来ますね」
「そうなのです、権力はです」
まさにというのだ。
「そして他の力もです」
「心を確かにして律しもして」
「私の為に、そしてよからぬことにはです」
「使わないことですね」
「日本のマスコミや知識人達の様にはならないことです」
「そうですよね、昔の漫画だと」
本当に昭和の漫画だ、一介の徒手空拳の青年が強大な権力者に挑むという漫画だ。主人公はその資質で多くの頼れる仲間を手に入れつつ権力者と戦う。あの似非美食漫画の原作者の大好きなジャンルだ。
「所謂国家権力とか大企業ばかり出ますが」
「権力はその辺りに幾らでもあります」
「マスコミだってそうですし」
「学校の先生もです、ひいては家の中でもです」
「ああ、権力者っていますね」
「よくあるDVの話ですが」
この嫌な話もだ。
「結局はです」
「権力の悪い使い方ですね」
「はい、そこに暴力も加わります」
「それで自分の家族を虐待するんですね」
権力と暴力を使ってだ。
「そういうことですね」
「権力の悪い使い方も暴力もです」
「あってはならないですよね」
「断じて」
畑中さんは断言して僕に話してくれた。
「それは」
「そうですよね」
「暴力を振るうなぞ」
「親父が一番嫌いますしね」
人には暴力を振るうな、それが言葉であってもだ。親父は僕にいつもこのことは真剣な顔で言っている。
「ヤクザ屋さんと一緒だって」
「それはその通りです」
「暴力はそうした人の振る舞いですね」
「はい、武力と暴力は違います」
「武力には正しい心があって」
「暴力には悪しき心があります」
そこが全く違う、誰でもそこに悪しき感情があれば暴力を振るうことになるのだ。
「悪しき力が暴力で」
「権力の悪しき使い方と一緒にですね」
「使ってはならない力です」
「そうですよね」
「八条家の方ならば」
「権力を正しく使ってですね」
手に入れるだけで満足もしないでだ。
「そして暴力はですね」
「絶対にです」
「使ってはならない」
「まさに餓鬼や外道になる力です」
DV親もそうだけれど学校の先生にも多いのが問題だ、あと警察や自衛隊にあれば即座に警務隊やそうした場所に言うことだ。
「あれは」
「暴力ってあれですよね」
僕はこれについて思うことがある、畑中さんにその思うことを話した。
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