| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十八話 本を探しているとその九

「それは自分自身が頭を下げないからですか」
「日本国民には強制しますが」
「自分は違うんですね」
「だからです」
 そう考えているからだというのだ。
「彼等はそう言えるのです」
「自分は謝らないのに他人にはそう言うのは」
「卑怯、そして卑劣で醜悪ですね」
「その通りですね」
「私は戦後の日本でそれも見てきました」
「嫌なものも見てきましたか」
「ですから吉川英治の日本に寄り添った感じは」
 平家物語に見られるそれはというのだ。
「よいものを感じます」
「そうなんですね」
「ですから好きです」
「それで今も読まれているんですね」
「はい、戦争中の日本は間違っているとはです
「畑中さんは思われないですね」
「間違っているのは彼等です」
 ここでは厳しい声で僕に話してくれた。
「戦後日本の共産主義者達です」
「あまりにも卑怯なので」
「共産主義の思想にも私はいいものを感じていませんが」
 それ以上にというのだ。
「彼等の行動の卑怯を見て」
「それで、ですか」
「彼等とは違う考えになりました」
 そうなったというのだ。
「彼等が消えてなくなることも願っています」
「今も学校の先生とかで多いそうですね」
「日教組ですね」
「あの組織はとんでもないですよね」
「彼等が求めているものは平和でも民主主義でもありません」
 畑中さんはこのまごうことなき事実を僕に話してくれた。
「全体主義です」
「まさにそれですよね」
「共産主義とは即ちです」
「全体主義ですね」
「その正体は何かといいますと」
 畑中さんは僕にさらにお話してくれた。
「ナチスと同じです」
「全体主義ですからね」
「ナチスは国家社会主義ですね」
「社会主義なんですよね」
「間違っても資本主義ではありません」
 企業は完全に統制しているし経済は全て国家の計画に基づいている。そこに資本主義的な要素は存在していない。
「社会主義です」
「国家社会主義労働者党ですね」
 ナチスの正式名称だ、紛れもなく社会主義だ。
「人種政策でよく間違えられますけれど」
「資本主義ではないのです」
「全体主義で」
「ソ連とほぼ同じ国でした」
「そっくりでしたね、やっぱり」
「その源流はフランス革命にあるそうですが」
「あの革命にですか」
「ジャコバン派がです」
 ロベスピエールが率いていたあの過激な人達がというのだ。
「その源流だったとのことです」
「ナチスやソ連の」
「はい、そしてです」
「そのナチスやソ連みたいな国にですね」
「彼等は日本をしようとしていて」
 畑中さんのお言葉はさらに続いた。
「今もです」
「そう考えていますか」
「そのことがわかっていました、私は」
「だから共産主義を言う人達をですね」
「否定していました、そして彼等の発言や行動が」
「卑怯だったからですか」
「さらに否定する様になりました」
 そうだったというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧