夢幻水滸伝
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第七十五話 北上と南下その十二
「この度は」
「わし等も九州モン、突撃は受けて立ちますが」
「相手はあの薩摩隼人」
「それならですたい」
「そこはあえてですか」
「受けて立ったら負けるばい」
そうした相手だからだというのだ。
「ここはそれはせんたい」
「そうしてですね」
「敵と戦う」
「そうしますか」
「そうするたい、では戦うたい」
こう兵達に話してだ、美鈴は兵達に守りを固めさせた。その時に空から空船や飛べる種族や者達で来ることも考えたが。
しかしだ、その備えはというと。
「ふむ、対空防御ばしっかりしてるでごわすな」
「空に敵が来たらです」
「迎え撃つ」
「そうしてきますか」
「その備えもしているでごわす」
まさにというのだ。
「だからでごわす」
「ここは、ですか」
「あえてその攻め方でいきますか」
「先程棟梁が言われたその攻め方で」
「いきますか」
「敵の意表を衝くことですね」
「相手が考えてもいないことで攻めることですね」
「この世界で空船はでごわす」
この船を使っての戦術派というのだ。
「空で砲撃戦や接舷戦に入るかでごわすな」
「はい、そしてです」
「空船から地上に爆弾を降らせるか術で攻撃します」
「空でも空を飛べるモン同士が戦います」
「そうした戦の仕方です」
「それをでごわす」
まさにというのだ。
「意表を衝いてでごわす」
「ああして攻めますか」
「そうしますか」
「ではまずはそう攻めて」
「そしてですね」
「勝機ば掴むでごわす」
それをというのだ。
「いいでごわすな」
「わかりました、では」
「ここはですね」
「そうして攻めて」
「今は」
「そうでごわす、攻めるでごわす」
こう言ってだ、北原は空船を出した。そして大砲も前に動かしていた。そうしたことをしてであった。
空船、数隻のそれに空を飛べる種族の兵達や術者達を乗せさせてだった。彼等は全速力で向かっていた。
それを見てだ、美鈴は言った。
「?おかしいたい」
「そうですね」
「何かです」
「こちらの陣にば向かっちょります」
「そうしてきていますね」
「これはたい」
美鈴はすぐに察して言った。
「急降下攻撃たい」
「急降下?」
「急降下攻撃っていいますと」
「それは」
「私等の世界であるたい」
それでと言うのだった。
「といっても昔の戦術たいが爆弾搭載した航空機を敵に向かって急降下させてたい」
「そうしてですか」
「爆弾ば落としますか」
「そうして攻撃しますか」
「それたいが今度は船自体を強引に降下ばさせて」
そしてというのだ。
「そして下にいる兵達ば潰して」
「そしてですが」
「そうしてですか」
「そこからさらに攻める」
「そうしますか」
「兵達を潰してそれで先手を取って」
戦のそれをというのだ。
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