八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八十七話 鉄仮面その八
「絶頂期ではなくなったよ」
「そうなりましたね」
「度重なる戦争の結果ね」
本当にこれのせいが大きい、次のルイ十五世の時もフランスはとにかく戦争ばかりしていた。相手はオーストリアにイギリスが主だった。
「折角リシュリューが繁栄の礎を築いたけれど」
「三十年戦争で、ですね」
「それがね」
「戦争のし過ぎで」
「傾いたんだ」
「皮肉ですね」
「うん、実はフランスって結構以上に戦争に負けてるんだよね」
これがだ。
「ナポレオンも最後に負けたし」
「そういえば一次大戦でも二次大戦でもよね」
美沙さんも言ってきた。
「戦争には勝ったけれど勝った方にいるだけで」
「うん、ドイツにやられっぱなしだったよ」
どっちの戦争でもだ、フランスはアジアでは二次大戦で日本に本当にあっさりと植民地を奪われている。
「その前の普仏戦争でもね」
「プロイセンとやった時も」
「あっさり負けていたよ」
本当に文字通りにだ。
「自信満々で向かってね」
「それであたしのクラスにベトナムからの娘いるけれど」
「その娘も言ってるんだ」
「フランス軍弱かったって」
「二次大戦の後も負けてるんだよね」
その後戻って来た植民地そのベトナムでだ。
「見事に」
「本当に弱かったって言ってたわ」
「そうなんだよね、ルイ十四世も十五世も負けまくっていたしヴァロワ家の頃も」
ブルボン家の前のだ。
「神聖ローマ帝国に負けっぱなしだったんだ」
「ナポレオンも最後負けたしね」
「実は戦争負けまくってるんだよね」
「そうなのね」
「ナポレオン以外でハプスブルク家に勝ったのは三十年戦争だけじゃないかな」
「他全部負けてるのね」
「うん、しかもハプスブルク家と戦っていたら」
このフランスにとっての宿敵とだ。
「もう一国敵いるからね、あそこは」
「イギリスよね」
「そう、あそこ敵がいつも二ついるからね」
「片方をやっつけて調子に乗っても」
例え勝ったとしてもだ。
「もう一方に殴られていたのね」
「それでいつも思う様に勢力拡大出来ていなかったんだ」
「ううん、やたらと強いフランス軍とか言ってるみたいだけれど」
「勝率は悪いんだ」
そしてその勝率はというと。
「暗黒時代の阪神位にね」
「ああ、あんな感じなの」
「あれ位の勝率だよ」
本当にこれ位だと思う、あの国の対外戦争での勝率は。
「ハプスブルク家にもイギリスにも負けが込んでるし日本にもあっさり負けてベトナムにもだったからね」
「じゃあ三銃士も」
「あの人達は強いよ、というか有能な将軍も多いんだ」
「それでも負けるのね」
「だって敵が多いから」
主なのでハプスブルク家とイギリスだ、あとこの二つの敵がその都度抱き込む国や家だ。
「オランダやイタリアとも戦争したりで」
「それでなの」
「うん、軍隊が強くて将軍がよくてもね」
「戦争ばかりして疲れて」
「負けてるんだ」
大体こんな感じだと思う、実際に。
「止せばいいのにってパターンがね」
「多い国なのね」
「戦争し過ぎはよくないよ」
しなければならない戦争はあってもだ、日本だと日清戦争に日露戦争だ。そして第二次世界大戦もそうだろう。
「物凄く国力使うし人も死ぬし」
「それでよね」
「当時のフランスも」
「ルイ十四世の頃には傾いたんだ」
結果としてそうなったのだ。
「あの王様派手好きで野心家でもあったから」
「王様でもですか」
「そこから皇帝になろうとしたんだ」
僕は小夜子さんにルイ十四世の野心のことも話した。
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