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夢幻水滸伝

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第七十五話 北上と南下その三

「日向に来たでごわす」
「では」
「戦でごわす」
「肥後と」
「そうなっていくでごわすな、日向を巡って」
「それでは日向で戦い」
「薩摩から兵を出すでごわす」
 既にだった、北原は己の頭の中に地図を描いていた。そしてその地図に矢印の線を描きつつ考えていた。
 そしてだ、その線は薩摩から肥後に入っていた。
「肥後に向けて」
「そうしますね」
「日向は日向で戦ってでごわす」
「肥後も攻めますか」
「そしてでごわすよ」
 北原は又吉に顔を向けてさらに言った。
「おはんの水軍は使えるでごわすか」
「肥後を海からも攻めますか」
「そう考えているでごわすが」
「いいですね」
 又吉は北原の言葉に真顔で返した。
「それでは」
「水軍も使ってでごわす」
「はい、肥後を攻めましょう」
「そして熊本城は必ずでごわす」
「攻め落としますね」
「元々あの城は付け城だったでごわす」
 熊本城についてだ、北原はこう言った。
「薩摩に対する」
「実際に西南戦争でそうなっていましたね」
「だからでごわす、必ずでごわす」
「攻め落とさなければ」
「おいどん達は北上出来ないでごわす」
 熊本から北にはというのだ。
「そして九州統一もでごわす」
「出来ないですね」
「だからでごわす」
「熊本城は必ず攻め落とす」
「そうするでごわすよ」
 こう又吉に言ってだった、北原は兵を進めさせていった、だが。
 日向でも肥後でも戦が続く様になっていた、それで北原は言うのだった。
「林どんもどんどん兵を繰り出しているでごわすな」
「はい、思った以上にです」
 又吉も水軍を率いる立場から北原に話した。
「兵を多く出していますね」
「そうでごわす、日向にも」
「肥後の守りも固めていて」
「林どんは弓兵でごわすな」
「種族は森人です」
「いくさに強か人でごわすか」 
「森人に弓は合っていますので」
 森人は木から進化した種族だ、その為森や山での戦を得意とする。そしてその中で弓矢や鉄砲を使うことが最も得意なのだ。
「ですから」
「強いでごわすな」
「はい、そしてあの方自身も」
 純奈自身もというのだ。
「神具は地の星として二つですが」
「その二つがでごわすな」
「武器ですから」
「為朝公の弓と赤木柄でごわすな」
「はい、弓と刀です」
「まさにいくさ人でごわすな」
「ですからお強いです」
 又吉は北原に冷静な口調で話した。
「そして采配もいいですね」
「そうでごわすな」
「はい、ですから」
「ここはでごわすな」
「どう攻めるかですね」
「林どん自ら出陣してくることも多いでごわすしな」 
 そして弓を使い刀を振るう、当然ながら森林戦や山岳戦を得意としていてそうした場所で武勇を見せている。
「おいどん達はまだ直接戦っていないでごわすが」
「はい、しかしです」
「林どんにも勝たないといけないでごわす」
「その通りです、どう戦うか」
 純奈と、とだ。又吉はさらに話した。 
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