夢幻水滸伝
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第七十四話 南からその十一
「薩摩と大隅は火山灰地帯です」
「桜島があるからでごわす」
「あの山は常に噴火しています」
このことはこの世界でも同じだ、兎角この山は常に噴火して薩摩と大隅に火山灰を降らせているのだ。
「ですから灰のせいで農作物が」
「これはこの世界でもでごわす」
まさにとだ、北原も答えた。
「変わらないでごわす」
「やはりそうですか」
「だから米には四苦八苦しているでごわす」
「薩摩芋頼りですね」
「それが主食でごわす、もっとも」
「薩摩芋があるので」
「餓えてはいないでごわす」
そこまでは至っていないというのだ。
「もっと言えばそれなりにやっているでごわす」
「そうですね、しかし」
「豊かではないです」
「そうした状況ですね」
「ではです」
「琉球とでごわすな」
「共にいれば琉球の生む富を使ってより内政を充実させられます」
それでとだ、又吉は北原に述べた。
「薩摩そして大隅の民の為に」
「そうしていいでごわすか」
「はい、民の為に」
是非にとだ、又吉は北原に述べた。
「そうされては」
「では、でごわすな」
「はい、それでは我々は」
「共にでごわすな」
「天下統一を目指しましょう」
「それではでごわす」
まさにとだ、北原は言ってだった。
二人は握手をしてそうしてから共に進んでいくことにした、このことを決めてだった。又吉は北原にあらためて述べた。
「ではこれからでごわす」
「何でしょうか」
「お酒を飲むですか」
「お酒ですか」
「つまみは豚でごわす」
「薩摩は豚を食べますからね」
「そうでごわす、この世界の日本では肉食は普通でごわすが」
だからすき焼きもステーキも食べている、北原もこの世界で様々な料理を楽しんではいる。その中でも肉料理が好きなのだ。
「豚肉もあるでごわすから」
「薩摩名物の豚肉ですね」
「それは琉球でも同じでごわすな」
「はい、僕もよく食べます」
「では豚肉を食べてでごわす」
「そしてですね」
「今から食べるでごわす」
こう言ってだ、そしてだった。
二人でだ、薩摩と琉球のそれぞれの料理を出してだった。酒も出した。酒は焼酎と泡盛が共にあった。
その中で焼酎を飲んでだ、又吉はこう言った。
「いや、やはり焼酎はいいですね」
「好きでごわすか」
「あちらの世界でも。泡盛もよく飲みますが」
泡盛は北原が飲んでいる。
「焼酎もです」
「好きでごわすか」
「はい、かなり」
実際にと言うのだった。
「ですからよく飲みます」
「八条町は町の条例で未成年でも飲めるでごわすしな」
「こちらの世界でも飲み」
そしてというのだ。
「あちらの世界でもです」
「飲んでいるでごわすか」
「北原さんはどうでしょうか」
「同じでごわす」
北原はその泡盛を飲みつつ答えた。
「好きdでごわす」
「やはりそうですか」
「お酒がなくては」
そうでなければというのだ。
「生きていられないでごわす」
「そうですか」
「そうでごわす」
まさにというのだ。
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