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永遠の謎

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446部分:第二十七話 愛を呪うその十六


第二十七話 愛を呪うその十六

 しかしカトリックであり君主でもある王には分かっていたのだ。そうしたことがだ。
 それでだ。王は話すのだった。
「そうしたことをわかってからシラーを観ると」
「色々なものが見えますね」
「舞台を観るにも色々な見方があるのですね」
「そうです。ではそのシラーの劇を。いえ」
 決めようとしたところでだ。そこでだった。
 王はだ。また言ったのだった。
「今宵は宴もありましたね」
「そうですね。宴もありましたね」
「ではそちらに出られますか?」
「宴の方に」
「そうするべきでしょうか」
 こう考えてだ。そこでだった。
 王はだ。その宴についてだ。ふと気付いたのだった。
「そういえばあの宴では」
「そうでした、あの宴ではです」
「あの方も出られますね」
「ゾフィー様も」
「いい機会です」
 側近達はだ。ここでは迅速さを選んだ。
 それでだ。王にここぞとばかりに言うのだった。
「ではゾフィー様と会われてです」
「そのうえで宴をお楽しみ下さい」
「そうして下さい」
「そうするべきですか」
 王はここでは無機質に応えた。
「今は」
「はい、ですから」
「今宵は宴を選びましょう」
「そうしましょう」
 側近達はは王に話す。そうしてだ。
 王もだ。今は頷き言うのだった。
「では宴を選びましょう」
「はい、では是非」
「そうしてです」
「ゾフィー様を御覧になって下さい」
「そうすればいいです」
 こうしてだった。王は今宵のことを決めたのだった。
 そのうえで宴に出席した。その王を見てだ。
 宴に出ている者はだ。王に対して恭しく一礼をした。そうしてだった。
 ゾフィーにもだ。そうしたのだった。
「王妃様、それでは」
「陛下とお二人で」
「ごゆっくり」
 こう言ってであった。二人を二人でいさせようとした。
 実際にゾフィーは王のところに来た。王は今はバルコニーにいた。そこから星空を見ていたのだ。
 その王にだ。ゾフィーは声をかけた。
「あの」
「エルザ」
 王は彼女に顔を向けてだ。まずはこう呼んだ。
 そのうえでだ。何処か造られた様な微笑みでだ。彼女に言ってきた。
「御疲れですか」
「いえ、陛下がこちらにおられるので」
「来たのですか」
「いけないでしょうか」
「私もです」
 王はその造られた様な微笑みのまま話してきた。
「今はこうして一人で」
「星空をですか」
「夜はいいものです」
 こんなことも言う王だった。
「夜は人が眠ります」
「だからですか」
「あらゆる謀やそうしたものが休みます」
 夜にはだというのだ。
 
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