八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八十三話 カナダという国その一
第百八十三話 カナダという国
カナダについてだ裕子さんは僕達に話してくれた。
「実は歌手でも有名な人いるの」
「そうなんですね」
「ええ、歌劇でも世界的な歌手何人か出してるの」
「そちらでは目立ってるんですか?」
「いえ、アメリカも歌劇で有名な人多くて」
ここでもこの国の名前が出た。
「それもずっとね」
「ずっとですか」
「そのせいでね」
「目立てないんですね」
「こっちでもね」
歌劇の世界でもというのだ。
「どうしてもね」
「そういえばクラシック全体で」
早百合さんも言ってきた、ここで。
「カナダとアメリカを比べますと」
「アメリカの方がよね」
「ずっと目立ってますね」
「歌手もそうでね」
「指揮者でも」
オーケストラ、もうクラシックの花形と言っていいこの人達でもというのだ。
「アメリカはレヴァインがいますが」
「カナダはね」
「どうしても少ないですね」
「世界的に知られている人がね」
「そうですね」
「アメリカは他にもバーンスタインがいたし」
「セルもマゼールもいましたし」
どの人も僕でも知っている世界的な指揮者達だ、特にバーンスタインはカラヤンのライバルとまで言われていた人だ。
「クラシックでも層が厚いですね」
「そうだけれどね」
「カナダは」
「どうもね」
「影が薄いですね」
「クラシックでも」
この分野でもというのだ。
「そんな感じがするわね」
「そうですよね」
「アメリカがお隣にあって」
「太平洋はどの国も個性が強くて」
日本も入るというか日本の個性は世界的に見てかなりで自己主張しなくてもどうしても目立ってしまうとのことだ。
「目立たないですね」
「サミットにいてもね」
「そこでもですね」
「やっぱり目立たないのよね」
「そしてお料理でも」
「カナダのお料理って」
裕子さんはまたこの話題について話した。
「本当にこれといって聞かないわね」
「ええと、先程裕子さんがお話した」
「スモークサーモンとメイプルシロップ」
「他は」
「聞く?何か」
「何かパスタが」
早百合さんは裕子さんにイタリアのこの料理のことを話した。
「のびているとか」
「アルデンテじゃなくて」
「クラスにカナダからの娘がおられますが」
「その娘が言ったの」
「日本のパスタにコシがあると驚かれていました」
そうだったというのだ。
「私と一緒にいたイタリアからの娘がその言葉にさらに驚きました」
「普通アルデンテでしょ」
「カナダでは違うそうで」
「コシないの」
「くたくたになるまで茹でるそうです」
昔はアメリカでもそうだったらしい、何かそうしたパスタは麺類全体で言えることだけれどあまり食べたいと思わない。
「あちらでは」
「そうなの」
「はい、それでです」
「パスタはくたくたで」
「そうしたものだとか」
「何かね」
裕子さんはその話を聞いてこう言った。
「あまりね、カナダにはね」
「行きたくないですか」
「食事面ではね」
そうだというのだ。
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