夢幻水滸伝
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第七十二話 荒んだ心その十二
「他の地域に進出するか」
「そうじゃな、それがええのう」
山本も井伏のその考えに頷いた。
「四国は今他の星のモンがどんどん進出しとるのう」
「そうじゃ、土佐からな」
「その伊代も手に入れてじゃな」
「讃岐、阿波もじゃ」
この二国もというのだ。
「手に入れようとしてるな」
「かなり順調の様じゃのう」
「それでじゃ」
井伏は山本に強い声で話した。
「今四国に手を出すのはまずいからのう」
「わし等はじゃな」
「山陽を手に入れてじゃ」
「それからじゃな」
「他の地域に進出じゃ」
「よし、じゃあこのまま安芸の北もじゃ」
山本は井伏の言葉に応えて述べた。
「手に入れていくか」
「そうじゃ、それからじゃ」
「周防、長門、備後じゃな」
「備中とか美作、備中、備前もじゃ」
こうした山陽の国々もというのだ。
「抑えていくからのう」
「わかったわ」
山本も頷いた、そしてだった。
彼等は安芸を完全に手に入れてからも山陽各地に兵を進めていった、二人で山陽を統一していったが。
備前も完全に手に入れてだ、一つの問題にぶち当たった。
「関西の勢力はかなり大きいのう」
「そうじゃな」
井伏は山本の言葉に頷いて応えた。
「九州の方も問題じゃが」
「関西は特にじゃな」
「勢力はでこうて星のモンも多くてじゃ」
「国力もあるのう」
「今わし等にとって一番の敵じゃ」
「どうする、これから」
山本は井伏に鋭い目で問うた。
「九州とやるか関西とやるか」
「それか四国か」
「山陰もあるがのう」
山本は山陽と隣接しているその地域のことも話した。
「わし等は次は何処に兵を進めるか」
「それが問題じゃ」
「守りに入るか」
山本は井伏を見て彼に問うた。
「そうするか」
「こんなはそれでええか」
井伏は山本の今の問いに鋭い声で返した、その目の光も鋭い。
「守りに入って」
「こんなと同じ考えじゃ」
山本もその目の光を鋭くさせて返した。
「そこはのう」
「それならじゃ」
「これからもじゃな」
「どんどん攻めていく、わし等は狙うは日本統一じゃろ」
「それじゃったらじゃな」
「これからも攻める」
「ほな何処を攻めるんじゃ」
山本はその相手のことを問うた。
「それで」
「関西じゃ」
井伏は山本に答えた。
「どうも山陰で一番勢力が大きい出雲がじゃ」
「あそこも星のモンが治めとるがか」
「関西に入るらしい」
「あの国もか」
「勿論民も星のモンもな」
出雲にあるもの全てがというのだ。
「そうなる、それでじゃ」
「わし等はか」
「まずは関西じゃ」
「あの連中を叩くか」
「播磨を攻め取ってそこからさらにじゃ」
「大坂の方を目指すか」
「そこから都じゃ」
井伏は既にそこまで見ていた。
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