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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十二話 港とヤクザその二

「しょっちゅうかかるからね」
「そのインパクトのお陰でね」
「だからびっくりしたよ」
 早百合さんが演奏をしてというのだ。
「何で部長さんがって」
「そうだよね、僕も今朝ね」
「演奏されてだね」
「びっくりしたよ、ただ名曲であることはね」
「事実だよね」
「そう思うよ、あのはじまりからね」
 導入部分がとにかくインパクトがある、だから使われるのだ。
「そこからもね」
「独特のもの悲しさがあってね」
「いい曲なのは確かだよね」
「そうなんだよね」
 二人で話した、そしてだった。
 若井君は僕にこうも言ってきた。
「あの映画拳銃出て来るけれど」
「ああ、ヤクザ映画だからね」
「あの拳銃アメリカ軍との横流しらしいけれど」
「それでヤクザ屋さん達も持ってるんだね」
「自衛隊じゃ絶対に無理だよね」
 武器の横流し、そんなことはというのだ。
「何があっても」
「管理凄いみたいだしね」
「そうそう、拳銃にしろ小銃にしろ」
「弾丸一発で」
 たったそれあけと思う様なものでもだ。
「なくなったら大騒ぎで」
「薬莢でもね」
 撃った後に出るそれだけだ。
「訓練の後でなかったら大騒ぎするとか」
「そんなので横流しとか」
「絶対に無理だよね」
「どう考えても」
「これ日本軍もだったらしいね」
 若井君はその自衛隊の前身といっていいこの軍隊のことも話した。
「というかもっと厳しかったんだよね」
「だって日本軍はね」
 僕も若井君に応えて話した、その日本軍のことを。
「武器や兵器に菊の御紋が入っていたから」
「天皇陛下の」
「武器や兵器は全部陛下からの預かりものだから」
「横流しとかね」
「とんでもないよ」
 何しろ廃棄する時もわざわざ菊の御紋を削ってからだったらしい、考えてみるだけでも恐ろしい話だ。
「そんなことしたら」
「若ししたらどうなったから」
「切腹じゃ済まなかったんじゃ」
 もう日本軍では想像も出来ない大罪だからだ。
「日本軍の軍律って無茶苦茶厳しかったのに」
「そんなところでそんなことしたら」
 菊の御紋が付いた武器なんか横流ししたらだ。
「怖いね」
「想像するだけで怖いからね」
「誰もしなかったんだ」
「残飯の横流しはあったらしいけれど」
「残飯をなんだ」
「そうみたいだけれど」
 こう若井君に話した。
「これが最大の不祥事だったらしいよ」
「その程度だったんだ」
「自衛隊では金網があったらしいけれど」
「全然ましだね」
「銃とかに比べたらね」
 本当にだ。
「可愛いものだよ」
「そうだね、アメリカ軍とは違うね」
「というか日本で銃は普通じゃないし」
 僕はこのことも話した、日本ではもう常識のことだ。
「持つこと自体が難しいじゃない」
「横流しとか密輸にしても」
「そうそう、すぐにわかるし」
 どうして銃を手に入れたかはだ。 
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