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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十一話 体育祭が近付きその十三

「普通にそうなるの」
「そうなんですか」
「そう、本当に」
 まさにというのだ。
「ついていきたい、傍にいたいってね」
「思ってそうして」
「憧れるの」
「無言で守ってくれそうで」
 早百合さんも話してくれた。
「素敵と思います」
「素敵ですか」
「はい、では今日は」
「仁義なき戦いの曲をですか」
「演奏しますね、ただ」
「ただ?」
「注意して下さい」
 早百合さんは僕と裕子さんに少し真剣な顔で言ってきた。
「はじまりは」
「あっ、仁義なき戦いのテーマソングは」
「最初のインパクトが凄いので」
 だからだというのだ。
「そこは注意して下さい」
「それじゃあ」
「今から演奏します」
 こう言ってだ、早百合さんは実際にその曲を奏でた。最初のインパクトはピアノでもかなりだった。それでだった。
 食堂で皆が言った、外国組の娘達も。
「いや、何ていうか」
「今日の曲は」
「最初凄かったわ」
「インパクトがかなりで」
「いい曲でしたね」 
 早百合さんはその皆に微笑んで言ってきた、今日の朝御飯のサンドイッチとサラダそれに牛乳を美味しく食べながら。
「仁義なき戦いのテーマソングは」
「それヤクザ映画ですよ」
 詩織さんは映画のタイトルを聞いてすぐに言った、もう日本人なら僕達の年代でも知らない人はいないという位有名な作品だからだ。
「広島の」
「はい、あの映画の影響で」
 その広島生まれの小夜子さんが言うには。
「広島に妙なイメージが付いています」
「ヤクザ屋さんの世界だと」
「そう思われています」
「今もですね」
「今はさらに暴走族も加わって」
 こちらは漫画で作者の人は広島で生まれ育っていて今も広島在住で同じシリーズを描き続けている。
「さらに妙なことになっています」
「暴走族も」
「はい、実際はです」
「ヤクザ屋さんや暴走族は」
「いることはいますが」
 それでもというのだ。
「多くはないです」
「そうなのですね」
「昔は違いましたが」
「あのシリーズはそもそも実話を元にしていますね」
 仁義なき戦いのそのシリーズはだ。
「そうでしたね」
「はい、残念ですが」
「ああした抗争が本当にあって」
「ちょっと、ダオその映画知ってるけれど」
 ダオさんはお二人のその話を聞いてすぐに言ってきた。
「物凄く人死んでるわよね」
「はい、抗争の中で」
 早百合さんはダオさんにすぐに答えた。
「数多くのヤクザ屋さんが死んでいます」
「殺し殺されてで」
「そうなっています」
「日本そんなに治安悪いの!?」
 ダオさんは眉を思いきり顰めさせて早百合さんに尋ねた。
「そうなの?世界一治安がいいと思ってたけれど」
「昔は違いまして」
「あれ昔のお話なの」
「終戦直後から昭和三十年代です」
「って無茶苦茶昔じゃない」
「はい、終戦直後で社会も混乱していて」 
 それでというのだ。
「あの様にです」
「ヤクザ屋さんが多くて」
「色々な事業に関わっていまして」
「競輪とか賭場とか」
「あと密売にも」
 そちらにもというのだ。
「スクラップの管理にもです」
「関わっていってなの」
「自警団の様なこともしていました」
 こうしたこともしていたというのだ。 
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