八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八十一話 体育祭が近付きその一
第百八十一話 体育祭が近付き
朝になった、だが。
昨日いつも以上に飲んだ、白ワインを四本空けてもうその酔ってふらふらになったのを頼りに寝た位だ。
それでだ、この朝僕は二日酔いで頭が死にそうに痛かった。だからだった。
立ち上がるのも辛かったけれどまずはお風呂場に向かった、そうして気力を振り絞る様にして服まで脱いで。
身体を一旦軽く洗ってだ、それからサウナに入った。するとその横に畑中さんがいた。
「おはようございます」
「あっ、おはようございます」
僕達はまずは朝の挨拶を交えさせた。二人共サウナの中で腰にタオルを巻いているだけのラフな格好になっている。
その恰好でだ、僕は畑中さんに挨拶をしたのだ。かなりのお歳なのに相変わらず見事な筋肉と骨格だ。武道をされているだけはあると思った。
その畑中さんにだ、僕は少し苦笑いになって言った。言う間も正直かなり頭が痛くてかなり苦しい。
「実は二日酔いで」
「それもかなり酷いですね」
「はい」
僕は正直に答えた。
「もう死にそうな位」
「だからサウナにですね」
「今入っています」
「左様ですね、では」
「ここで汗をかいて」
そうしてだった。
「まずは二日酔いを解消します」
「それがいいですね、やはり二日酔いにはです」
「サウナですよね」
「私は朝の鍛錬の後で、です」
「いつも通りですね」
「身体を清めています」
畑中さんの日課だ、朝早くの鍛錬の後はお風呂でサウナにも入られるのだ。サウナ室の時間を見ればまだ五時半だった。
「そうしています」
「そうですね、ですが僕は」
「まずはサウナで」
「お酒抜きます」
もうその為にここまで必死の思いで来た、二日酔いでどうしようもない位に痛む頭とだるい身体で。
「そうします、汗をかいて」
「水風呂にも入られて」
「三回繰り返したら」
僕の読みではだ。
「お酒は完全に抜けていますね」
「昨日はどれだけ飲まれたのですか?」
「白ワイン四本です」
どれだけ飲んだか正直に答えた。
「それだけ飲んだので」
「それで、ですか」
「いつもは二本ですが」
大体それ位だ。
「ですが昨日は倍だったので」
「普段以上にですね」
「二日酔いもです」
「かなりきついですか」
「今も辛いです」
それも相当にだ。
「どんどんお酒が抜けている気がしますが」
「サウナで汗をかかれて」
「はい、二日酔いにはサウナですよね」
思えば八条荘に入ってからいつもお世話になっている、それは合宿で江田島にいる時も同じだった。
「汗をかいて水風呂にも入って」
「はい、また入れば」
「もうかなり抜けて三度目の時は」
「完全にですね」
「二日酔いが解消されていると思います」
「だからですね」
「今はこうして」
腕を見ると汗が出て来た、今は小粒だけれどこれが大粒になって滝みたいに流れれば一旦出るつもりだ。
「汗をかきます」
「それがいいかと。飲んですぐは危険ですが」
「二日酔いの状態ならですね」
「入られてもいいです」
「そうですよね」
「サウナはそうした目的で入る人も多いですし」
実際にそうらしい、だからサウナによっては二日酔いにいいとわざわざ書いているところもあったりする。
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