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夢幻水滸伝

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第七十一話 衝突その八

「農業も発達してて商業、工業もな」
「日本で一番ええやろ」
「その通りやね」
「それでや、西をまず手中に収めてな」
「それからやね」
「東に向かう、東西一度に相手にするよりな」
 それよりもというのだ。
「まずは一方攻める」
「それが西やねんね」
「東にいって東海、北陸を倒してもな」
「確か東国は最近」
 中原が言ってきた。
「大きな勢力になっていますね」
「ああ、今はうちの次位に大きな勢力になってるみたいやな」
「関東と東北の領有を進めていっていて」
「相当でかい勢力になる、そことあたるのは最後にしたい」
「しかも東国との戦の間もまだ西の勢力がありますと」
「連中とも戦わなあかんやろ、それやと東西両方相手にすることになる」
「二正面作戦は避けるべきですね」
「敵は一つに絞ることや」
 芥川は中原に強い声で言った。
「それが戦の常道やろ」
「如何に強い国でも複数の敵は相手にしにくいですね」
「同時に相手にして負けた国も多い」
「そうですね、確かに」
「そやからや」
 芥川はあらためて言った。
「その意味からでもや」
「まずはですね」
「東の守りを固めてな」
 そうしてというのだ。
「西に兵を進めていくで」
「そうしていきますか」
「ああ、けどな」
「星の人が足りん様になってきた」
「ほんまそうですね」
 佐藤兄妹が言ってきた。
「師匠の言われる通り」
「今内政に守りって忙しいです」
「そやから攻めるにも」
「中々人手が足りませんね」
「そや、これでも内政専門で弥生ちゃんが入ってな」
 芥川はその弥生を見て話した。
「随分助かってるけれどな」
「私が入ってですにゃ」
「そや、内政担当が一人おるだけでや」
「随分助かるんですにゃ」
「それだけで全然ちゃう、それで水軍もおる」
 芥川は今度は吉川を見て言った。
「しかもうちの水軍は日本の他の水軍とはちゃう様になってきた」
「こちらは軍艦になった」
 吉川が腕を組んで話した。
「木の船からな」
「鉄の船になったさかいな」
「今の我が水軍は日露戦争頃のレベルだ」
「もうかなりちゃうわ」
「水軍は他の勢力を圧倒してる」
「そや、しかしな」
 それでもと言う芥川だった。
「その水軍があってもな」
「それでもだな」
「そや、それでもや」
「陸から攻められる者が少ない」
「それが難点や、戦は陸でも水でも空でも行われる」
 芥川はこの世界の戦のことも話した。
「それでや」
「どうしてもそうした星の者が必要か」
「そや、誰かおらんか」
 芥川の言葉は切実なものだった。
「おったらそいつをすぐに迎え入れてな」
「それでだな」
「早速出雲まで兵を進めてもらいたいわ」
 芥川の思いは切実だった、この時の彼は心からそうした星の者が来ることを望んでいた。
 ここまで聞いてだ、中里は言った。
「そうか、それでか」
「そや、自分が来てな」
 話を終えてだ、芥川は中里に話した。
「ほんま助かったんや」
「そやってんな」
「戦える、しかも神星の六将星の一人や」
「戦う星の奴なら一番か」
「もうこれ以上はないって位のな」
 そこまでのというのだ。 
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