夢幻水滸伝
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第七十話 山と海その十二
「流石に陸での戦はな」
「あまり得意ではなかった」
「そやな」
「しかしだ、勝てていってだ」
「伊勢も統一出来たんやな」
「津やこの四日市、そして長島もだ」
そうした地域をというのだ。
「統一出来ていった」
「そうやねんな」
「そして政もしていったが」
「見たところあまりやな」
「やはり私は提督だ、政をしても陸はな」
そちらの政はというのだ。
「どうにもだ」
「海や川のことを治めるよりもやな」
「駄目だった、それでだ」
「限界を感じてたか」
「やはり私は海、そして水の者だ」
そちらの世界のというのだ。
「提督でしかもマーマンだしな」
「こっちの世界マーマンも陸におるけどな」
「普通の足にもなれて生活も出来るしな」
勿論魚の下半身になることも出来る、このことは本人が願えばなれる。骨格も筋肉もその都度変わることが出来る。
「だからな」
「山の方でも暮らせるな」
「他の種族よりも水は必要だが」
「倍位な」
「それはそうだが」
しかしと言うのだった。
「やはり私はな」
「水の人か」
「そちらの者だ、それでだ」
「政も戦もか」
「限度がある、私は棟梁としては今が限度だ」
「それでか」
「これからどうしようかと考えていたが」
芥川のその目を見て語った。
「そこにだ」
「僕等が話をしに来たんやな」
「そうだ、それで今話をしているが」
「そういうことやな」
「まず言う、私に日本統一も全ての星の頂点に立つ野心もない」
「今伊勢と志摩が精々って言うたしな」
「伊勢を統一する中で悟った」
まさにそれをというのだ。
「やはり私は水の者だ」
「陸ではあかんか」
「水軍を率いて戦い勝ちだ」
「港とかを治めるっていうんやな」
「それが私だ、それ以上の者ではない」
「それで他の勢力に入ってか」
「これから生きていこうと思っている」
こう芥川に話した。
「この世界でな」
「そうか、ほな僕等が言うことはな」
「それは何だ」
「僕等も水軍が必要や」
このことからだ、芥川は吉川に話した。
「瀬戸内の南に日本海の一部の海にも面してるが」
「それでもだな」
「水軍はないも同然や」
そうした状況だというのだ。
「それでや」
「さらにだな」
「そや、港やら水産やらな」
「そちらの政もだな」
「出来る奴がおらん、それでや」
その為にというのだ。
「水の専門家が欲しい、そしてな」
「伊勢と志摩もだな」
「そっちもや」
「欲しいか」
「そや、そしてこの二国もや」
伊勢も志摩もというのだ。
「是非な」
「そして手に入れてだな」
「治める」
芥川は吉川に一言で答えた。
「そうしてくわ」
「私以上にだな」
「自分が今言うた通りや、陸のことはやろ」
「政でもな」
「限界があるな、しかもこっちは人材が多い」
「その分だな」
「治められる、安心せえ」
伊勢そして志摩もというのだ。
「そうしてくわ」
「そうか、ではだ」
「ああ、こっちに入るな」
「伊勢と志摩の二国とそこにいる民、水軍と共にな」
吉川ははっきりと答えた、こうしてだった。
吉川は関西の軍勢に加わりそうしてだった。
伊勢と志摩そして水軍も関西の軍勢に加わり民達もこうなった、関西はまたその勢力を拡大させることに成功した。
第七十話 完
2018・6・15
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