八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十七話 秋のイベントその十
「日本のことを学ぶべきですわね」
「今以上に」
「そうですわね、そしてこれからこの学園では」
この八条学園ではというのだ。
「秋のイベントが待っていますわね」
「体育祭に文化祭」
「その二つですわね」
「そう、どっちも頑張るから」
「そうしましょう」
「それで日本の体育祭では」
エリザさんは僕に顔を向けて言ってきた。
「一日中体育をするの」
「そうなりますね」
実際にとだ、僕はエリザさんに答えた。
「競技が一杯ありまして」
「そうよね」
「一日体操服です」
「下は半ズボンかスパッツで」
「別にジャージでもいいですけれど」
この辺りは人それぞれでいいというのがうちの学園の体育祭だ。
「服は」
「そうなの」
「はい、学園の体操服なら」
「わかったわ、じゃあ半ズボンでいるわ」
エリザさんの体操服でというのだ。
「その時は」
「それで汗を流して下さい」
「そうするわ、それと」
「それと?」
「何か昔の日本の女の子の体操服は」
「ひょっとしてブルマですか?」
「あれ本当にあるの?」
僕にこう聞いてきた。
「オーストラリアで聞いたけれど実際でも漫画でも見たことないから」
「もうないですね」
僕はエリザさんに正直に答えた。
「アニメでももう稀らしいです」
「そうなの」
「はい、実際は」
こうエリザさんに答えた。
「二十年前からなくなっていって」
「今じゃなの」
「もうそうした学校もないです」
「アニメでもなの」
「稀です」
何かクール、三ヶ月ごとのそれが移る度にブルマが出て来るアニメの本数が減っているらしい。アニメ研究会にいる子に聞くと。
「そうみたいです」
「皆半ズボンかスパッツなの」
「そうみたいです、アニメでも」
「現実でも漫画でも」
「あとライトノベルでも」
こちらは大抵イラストに出る、文章以上にインパクトがある。
「学園ものでも稀だとか」
「そこまで減ってるのね」
「だってあれはもう」
そのデザインたるやだ。
「下着ですから」
「ショーツみたいね、確かに」
「水着のビキニとか」
「それを穿いてるみたいなものね」
「いやらしいですから」
そうした批判が出てだ。
「なくなったんです」
「それで半ズボンかスパッツになったのね」
「そうです」
これは実際のことだ。
「それでなくなりました」
「道理で見ない筈ね」
「まあ運動選手が穿きますけれどね、今も」
「あれは水着じゃ」
「水着にも見えますけれど」
ビキニのだ。
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