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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十七話 秋のイベントその八

「キャッチはワンバウンドだったりとか」
「フライの」
「そういうのもありました」
 これは確か横浜とヤクルトの試合だった、ラミレス選手のワンバウンドキャッチがアウトになったか何かだった。
「その時は今回だけは我慢してくれとか」
「審判の人が言ったの」
「そうらしいです」
 僕が生まれた頃かその辺りの話だ。
「もう言われた監督物凄く怒ったそうです」
「それは怒るわ」
 エリザさんは僕の話に一言で答えた。
「我が国だとそんなこと言った瞬間に」
「殴られますか」
「確実にね」
「オーストラリアだとそうですか」
「気の短い国民性だから」
 それでというのだ。
「もうそんなこと言われたら」
「殴られるんですね」
「乱闘確実よ」
「ワイルドですね」
「我が国はよくも悪くもそうなの」
 ワイルドだというのだ。
「オープンで」
「そうしたお国柄だからですか」
「怒る時は即座に怒るから」
 それも激しくという口調での言葉だった。
「殴ってくるわ」
「そうですか」
「我が国ではそこまではありませんけれど」
 ジョーンさんもお国のことを話してきた。
「ニュージーランドでは」
「オーストラリアとは別なんだ」
「確かに兄弟国ですけれど」
 相棒同士と言っていい位の関係だ、オーストラリアとニュージーランドはまさに切っても切れない関係にあることは有名だ。
「国民性は違いまして」
「それで、だね」
「ニュージーランドではそうは」
「そんなことを言われても」
「時と場合によりますけれど」
「殴らないんだ」
「そこまでは」
 しないお国柄だというのだ。
「むしろオーストラリアはワイルドかと」
「もう言うより動け」
 エリザさんはぽつりとした口調で述べた。
「それが我が国で怒る時も」
「即座にですか」
「怒る国民性だから、特にお酒が入ると」
「怒りっぽいんですね」
「試しにキャンベラでビール飲んでるおじさんをからかってみたら」
 もうその瞬間にというのだ。
「わかるから」
「殴られるんですね」
「そうなるから」
「ニュージーランドではそこまでは、ですわ」
 ジョーンさんがまた言ってきた。
「そうそうありませんので」
「ニュージーランドの方が穏やかな国民性なんだね」
「そうなのでしてよ」
「兄弟国でも」
「そこは違いますわ」
 何かとセットと言われる両国でもというのだ。
「人口も違いますし」
「ニュージーランドは四四〇万位だったね」
「そしてオーストラリアは二二〇〇万ですわ」
 オーストラリアの方が広くて人口も多くて国力も高い、その為オーストラリアはG二〇にも入っているけれどニュージーランドは入っていない。
「そこは違いますの、生態系も」
「そういえば生態系もね」
「違いましてよ、こちらはムカシトカゲがいますわ」
「あのかなり原始的な」
「第三の目がある蜥蜴ですわ」
 ただしこの目は見えないという。 
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