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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十七話 秋のイベントその四

「寒さにも慣れているわ」
「それじゃあ」
「六甲も多分」
「大丈夫ですか」
「そうだと思うわ」
「そうですね、砂漠は凄いですからね」
「あの寒さは」
 それこそだ。
「かなりのものだから」
「僕砂漠は行ったことないですが親父に聞いてます」
 世界中を飛び回る中で結構砂漠にも行っているのだ。
「あそこは本当に夜は寒いって」
「そう、お昼とは違って」
「その寒暖の差にも気をつけろって」
 行った時はと僕に言っていた。
「本当に凍死するって」
「そう、それは事実」
「みたいですね」
「砂漠は凍死するから」
「それでちゃんと防寒をしてですね」
「私も寝てた」
「本当に過酷な場所なんですね」
 オーストラリアにもある砂漠はだ。
「それでよく人が住んでましたね」
「アボリジニーはそこで住んでる人も結構いて」
「エリザさんもですね」
「そこで暮らしていた」
 そうだったというのだ。
「私達の聖地で」
「アボリジニーの人達の」
「私達の部族の」
 アボリジニーの人達全体でなく、というのだ。
「そこで暮らしていたの」
「ずっとですか」
「そう、ずっとだった」
「それで寒い思いもしてきましたか」
「暑い思いも」
「そして毒蛇もいたんですね」
「そこで家族で暮らしていて。パパもママも」
 今度はご両親の話だった。
「今もそこで暮らしてるの」
「確かお父さんが」
「そう、アボリジニーで」
「お母さんが白人でしたね」
「丁度キリ=テ=カナワと同じ」
 こうも言ってきた。
「ニュージーランドのソプラノ歌手の」
「あの人はお父さんがマオリ族でしたね」
「お母さんが白人らしいから」
「何か実は養子とも聞きましたけれど」 
 マオリ族の酋長さんのだ。
「ハーフなのは間違いないにしても」
「孤児みたいな境遇だったとかね」
「そんな話も聞きましたけれど」
 どうもニュージーランドが生んだこの偉大なソプラノ歌手の話は複雑らしい、僕も詳しいことは知らないが。
「どうなんでしょうか」
「私もそこまで知らないけれど」
「ハーフなのはですね」
「確かで」
「エリザさんもですね」
「そう、ハーフで」
 アボリジニーつまり原住民と言っていい人達と後から来た白人の人達とのだ。
「キリ=テ=カナワと一緒」
「そうなんですね」
「オーストラリアでは最近こうした生まれの人多いの」
「ハーフの人のですね」
「白人とアジア系の混血も」
 オーストラリアにアジア系の移民が増えてだ、この辺りアメリカと同じだ。
「むしろこちらが一番多い」
「アボリジニーの人との混血よりも」
「アボリジニーは少ないから」
「だからですか」
「白人とアジア系が多いから」
 それでというのだ。 
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