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夢幻水滸伝

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第六十九話 山賊征伐その十一

「つまり木材やな」
「木材を手に入れてやな」
「色々なことに使うからな」
「山も手に入れていくんやな」
「そうしていくわ、大和から紀伊にかけてとにかく山が多い」
「そしてどの山からもな」
「木は得られる」
 この資源がというのだ。
「そやから是非欲しい」
「そういうことやな」
「ああ、ただ切った木はな」
 それはというと。
「後ちゃんと次を植えておかんとな」
「植林も忘れへんねんな」
「そうしたらそこの自然がまた戻って木が山からの洪水を防いでくれる」
 山崩れ、それをというのだ。
「そやからな」
「切った後はやな」
「ちゃんと植えていく」
 木をというのだ。
「そうしてくで」
「それで終わりやとな」
「後で林業出来んからな」
 だからだというのだ。
「それでや」
「後はちゃんとやな」
「植林しておくんや」
「成程な」
「それが環境を守ることになるしな」
「それで守ってる、それで悪党達やけどな」
「ああ、攻めていこうな」
 狐は芥川の言葉に頷いた、そうしてだった。
 芥川は兵を徐々に、焦ることなくそれこそ一歩一歩確かに確保する様に進めていってそうしてだった。
 地の利と個々の強さで戦う悪党達に軍の組織力と知略で向かっていった。奇襲や罠も防ぎかわしていき。
 前に進んでいった、だがかける時間はというと。
 二日経ってようやく頂上が見えてきた、夜はあえて守りを固めて兵を進めなかったので余計に時間がかかっていた。
 それで狐は夜に護りを固めている陣地の中で芥川に言った。
「今回はゆっくりやな」
「ああ、時間をかけて攻めてるわ」
 芥川自身もこう答えた、今彼は夕食のお握りを食べている。狐も同じお握りを食べている。
「こうした敵に地の利が圧倒的にある場所ではな」
「攻めるとか」
「慎重に進まんとな」
「損害出すか」
「それでや、あえて慎重に慎重を重ねてな」
 そうしてというのだ。
「攻めてるんや」
「そうなんやな」
「今みたいにな、けれど明日にはな」
「遂にはか」
「そや、敵の砦を囲む」
 そうするというのだ。
「そうしてからな」
「あらためて降る様に言うか」
「相手の考えはわかってるわ」
 芥川は今度は茶を飲みつつ言った、その茶は緑茶だ。
「戦もせんで降るつもりはない」
「さっさと降ることせんでか」
「そや、一戦交えてな」 
 そしてというのだ。
「自分達が納得したいんや」
「戦わずして降るよりもか」
「悪党はそんな奴が多いみたいやな、こっちの世界やと」
「そうか、それでか」
「職業も武士だけやなく義賊も多いらしいしな」
 そうした義侠心等男気というものを重要視している職業の者達がというのだ。
「それでな」
「戦をせんとやな」
「そうや、そうしてや」
 そのうえでというのだ。
「一戦交えてな」
「自分達が納得してやな」
「戦うことをよしとする」
「そうした連中やな」
「そや、そうやからな」
「こっちも戦ってるんやな」
「そして敵を破ってな」
 悪党達、彼等をというのだ。
「そうして砦を囲んでな」
「そのうえでやな」
「降伏韓国をする、まあそれで降ったら終わりでな」
 その時にというのだ。
「そしてな」
「降らんとやな」
「砦を攻める、まあ相手を取り込むにはな」
「戦わんと納得出来ん相手と戦う」
「そうした時もあるわ、しかしこの悪党五百人位やったけどな」
「こっちは七千でな」
「よお戦ってるな」
「実質大和の南を握ってるしな」
 その辺りを治めているというのだ、つまり大和の南の山々に住んでいる民達をだ。 
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