夢幻水滸伝
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第六十九話 山賊征伐その九
「これでまずはな」
「降る様にやな」
「言う、しかしな」
「降らん時は」
「攻めるで」
その悪党達をというのだ。
「そうするで」
「わかったわ」
狐も頷いて応えた、芥川の今の言葉に。
「ほな采配執りながらな」
「僕等も陣頭で戦うで」
「そうして勝つな」
「本来軍師は軍を率いたり自分から武器を手に取ることはないけどな」
このことについてだ、芥川は狐に少し苦笑いになって述べた。
「僕はちゃうな」
「戦う軍師やな」
「そやな、まだ僕等の勢力は人手が足りんし」
「このことも大きいな」
「その足りん人手で政をやって戦もする」
「そうなるとな」
「どうしても人手が足りん」
少ない星の者達で政も戦も行っていてというのだ。
「そうなってるさかいな」
「軍師でも戦うな」
「そや、ほなな」
「今からやな」
「使者を送るわ、ただな」
「その使者に何かしたらか」
「使者に何もせんのは常識や」
例えその使者が自分達にどれだけ気に入らない話をしてきてもだ、何も手出しはしないというのが儀礼で人の道だというのだ。
「そやからな」
「使者に手を出したらか」
「全員一旦首を切ったる」
「そこまでするか」
「ああ、そうしてきたらな」
その場合はというのだ。
「こっちも徹底的にやらなあかんからな」
「目には目をやな」
「そんなところや」
芥川も否定しない、そして彼はここでこうも言った。
「あと山は囲んだし空からも攻めるけどな」
「ああ、山の獣道や地下に作ってあった道とかを使ってか」
「何度も言うが地の利は向こうにある」
敵即ち悪党の方にというのだ。
「そやからな」
「伏兵とか奇襲には注意してやな」
「攻める時は攻めていくからな」
「わかった、そうしたことは種族によるけどな」
「すぐにわかる奴がおるんやな」
「ドワーフとかホビットとかンヤダクとかスコーンはわかりやすい」
「ああ、地下に住んでた種族はやな」
「あとノームやダークエルフはな」
こうした種族もというのだ。
「とにかく元々は地下で暮らしてた種族は地下の道もわかりやすい、山だとエルフとか樹人とか狐人や狸人もな」
「森におった種族やな」
「その連中がすぐ気付く、あとそういう道や罠はな」
「盗賊とか忍者、レンジャーや義賊がわかるな」
「そうした職業やからな」
罠を見付けるのも専門である職業だからというのだ。
「すぐわかるで」
「その連中に働いてもらってやな」
「攻めていけばええわ」
「そうすれば相手の地の利もやな」
「大分抑えられる筈や」
「そやな、幸いうちは色々な種族もおるし」
先程狐が言った諸種族も兵達の中にいる、日本だけでなく太平洋諸国やサハラ砂漠以降のアフリカ諸国も同じである。
「兵の職業もや」
「様々で盗賊とか忍者もおるな」
「レンジャーもな」
「ほなその連中をよく使ってな」
そのうえでというのだ。
「攻めていくんや」
「わかったわ」
芥川は狐の言葉に頷いた、そしてだった。
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