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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十六話 酷い人達その二

「その人こそ地獄に落ちるべきだから」
「だからだね」
「そうした人こそね」
「切腹して責任を取って」
「自分が地獄に行かないと」
 そうしなければというのだ。
「駄目でしょ」
「それがね」
「そうした人達はなのね」
「切腹するどころか」
 本当に潔くそんなことはしなかった、それも一人も。
「逆に当時の政府を責めているから」
「何で北朝鮮に送ったって」
「そうね」
「政府関係あったの?」
「いや、あの国が主に推進していて」
 在日の人達に帰って来る様に呼び掛けていたのだ、帰ってくればこれ以上はないまでに素晴らしい生活が送られると喧伝してだ。これぞ悪い意味でのプロパガンダだ。
「そこにあの国と親しい人達が乗ってだから」
「政府はあまり、なのね」
「関係あったかも知れないけれど」
 あると言えばだ。
「それでもね」
「主犯じゃなかったのね」
「主犯は北朝鮮だよ」
 このことはもうはっきりとしている。
「それで従犯は北朝鮮と親しい人達だよ」
「そうなるわよね」
「うん、この構図だよ」
 何でも指紋押捺もそうだったらしい、あの国の組織が言いだしてあの国に親しい人達が叫びだした。思えば指紋押捺はあの国の工作員対策だったし実際にかなり入り込んできた、現在もそうであることを考えると無暗に廃止するべきではなかったかも知れない。
「だからね」
「その人達が悪いんじゃない、完全に」
「それでも一人もだから」
 このことは見事なまでにだ。
「そのことを謝罪している人達はいないよ」
「酷い話ね」
「それどころか悪いことを続けてるから」
 このこと以外にもだ、靖国のことといい慰安婦のことといい。教科書もそうだったし本物の悪人というものは決して自分の過ちを認めず繰り返すのかも知れない。
「何かとね」
「まさに悪魔ね」
「そう思うよ、僕も」
 正直心の底から嫌になって僕はニキータさんに言った。
「邪悪って言うんだろうね」
「文字通りの」
「学校の先生も学者さんもマスコミもね」
 そうした人達と親しい政治家にしてもだ。
「そうした人達が日本にはいるんだ」
「下手な汚職よりも酷いわね」
 チェチーリアさんも眉を顰めさせて言った。
「さっき義和が邪悪って言ってたけれど」
「チェチーリアさんもそう思いますよね」
「ええ、ひょっとして」
 こうも言ったチェチーリアさんだった、考える顔になって。
「あの国と対話とか言ってるのは」
「まさにその人達です」
「やっぱりそうなのね」
「世代交代している場合もありますけれど」
 帰国事業なんて相当前の話だ、親父がまだ生まれていない頃にはじまって僕が生まれるずっと前に終わっている。それでは世代も交代する。
「それでもです」
「同じ人が多いの」
「さっき北朝鮮に帰った人達に問い詰められた話ですが」
「列車の中で」
「その話があった同じ車両に乗ってたある政治家さんこの前亡くなりました」
 ある左翼政党、かつては日本の第一野党だった政党の委員長だった人物だ、その問い詰められた人物もその党の人物だった。
「九十代で」
「そうだったのね」
「この人も色々やってました」
 死んだら絶対に地獄に落ちると断言出来る所業をだ。 
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