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夢幻水滸伝

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第六十八話 会談成功その九

「こっちの世界にな」
「そういえばこの世界魔物がおってやな」
「巨人も出て来るのは話したな」
「ああ、急に出て来て暴れ回るんやったな」
「言うなら災害や」
 巨人達はそうした存在だというのだ。
「神出鬼没やしな」
「そしてその巨人共を倒すのもやな」
「自分等の仕事や」
 星の者達のというのだ。
「そうなるわ」
「力があるだけにやな」
「巨人共をほったらかしにしてると民も街も田畑も無茶苦茶になるわ」
 その巨大な身体で暴れ回られてそうなるというのだ。
「そうなるからな」
「出て来たらすぐにやな」
「そや、即座にな」
「倒すべきやな」
「そうや、そのこともやるんや」
「この世界の為にやな」
「その通りや、幸い最近日本には巨人は出てないけどな」
 災害と言うべき彼等はというのだ。
「用心してな」
「そうしてやな」
「戦っていくことや。わかったな」
「ああ、この世界のことがまたな」
「ほなそういうことでな」
「大和に入るか」
 芥川はまたこの世界のことがわかった、狐との今の会話から。そうして軍勢をまずは奈良の街に入れてそこを拠点とした。
 奈良の街は東大寺や春日大社等芥川達の世界にもある寺社が全てあった、芥川は東大寺の大仏殿に狐と共に入った。
 そしてその大仏を見てだ、こう言った。
「都にも僕等の世界にある寺社は全部あるけどな」
「大坂もやしな」
「住吉大社とか四天王寺とかな」
「それでこの奈良もな」
「そやな、大仏殿があるわ」
 東大寺のそれがというのだ。
「春日大社もな。それで鹿もな」
「ここに来るまでによおさん見たな」
「こっちの世界でもでかい顔してるな」
 奈良の街を我がもの顔で歩き回りくつろいでいたのだ。
「それも僕等の世界よりもずっと多いわ」
「奈良に三千匹おるで」
「ほんまに多いな」
「春日の神様の使いや」
「そのことも僕等の世界と一緒やけどな」
 それでもと言う芥川だった。
「けどな」
「それでもやな」
「ああ、多いな」
 その鹿達がというのだ。
「ほんまに」
「まあ自分等の世界とは違うところがある」
「そのことはやな」
「よおわかっておくことや」
「こうしたことでもやな」
「同じところもあるけど完全に別の世界や」
 この世界はというのだ。
「そやからな」
「そうしたことも頭に入れつつやな」
「そや、やってくことや」
「そやな。何はともあれ奈良の街の寺社勢力は何処も素直に従ってくれた」 
 芥川が兵を率いて来るとすぐに降っだ、それで彼は軍勢をこの街に無血で淹れることに成功したのである。
「ええことや」
「そやな、ほなこの奈良を拠点にしてな」
「他の勢力もこっちに入れていこか。まずはな」
 芥川はその目を光らせて言った。
「郡山と天理や」
「その二つの場所か」
「奈良のすぐ傍にあるな」
 まさにと言うのだった。 
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