魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~
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Epica23とある少女の覚悟~Dangerous Gambling~
前書き
あけましておめでとうございます!
残り2年と半年、完結まで今後ともよろしくお願いします!
†††Sideルシリオン†††
シャルとミヤビと思しき女性仮面持ちを結界内に閉じ込めた後、教会騎士団の本部に応援を寄越してもらうように連絡。今回のヴィヴィオ拉致未遂で確保できた仮面持ちを移送してもらうためだ。ついでに周辺を警邏中の他の騎士隊に協力してもらい、周囲1km圏内を封鎖してもらった。さらに魔法戦の練習が出来る屋外練習公園へと移動。
「巻き込んでしまってすまないな、ヴィクトーリア、ハリー達も。いろいろと面倒な事になるだろうから、先に帰ってもらって構わないよ」
「こんなところにまで付いて来てもらった後で申し訳ないけどさ」
「ここからは私たちの仕事ですから」
俺とルミナとトリシュで、ここまで付き合ってもらったことへの「ありがとう」感謝を述べ、シャルと仮面持ちを見送った後もなお襲い掛かってくる仮面持ちとの戦闘に巻き込まないように先に帰らせようとしたんだが・・・。
「いいえ。お手伝いさせてください。友人をこのまま放って帰るなど、雷帝ダールグリュンの子孫の名が泣きますわ」
「そういうことっス! 管理局員を目指す身としても逃げ帰るわけにはいかないんで!」
ヴィクトーリアとハリーが防護服に変身して、仮面持ちの迎撃にやる気を漲らせている。そんな彼女たちにルミナが「忘れてない? これはルールありの試合じゃないよ?」と現実を突き付けた。インターミドルの試合に敗北はあれど敗死はない。
「これは本当の事件。運が悪ければ死ぬ可能性もある戦闘なの。あなた達の気概は買うけど、アスリートとガチの戦闘者を一緒にしない方が身のためだと思う」
「「っ・・・!」」
ルミナが殺気をヴィクトーリアとハリーに放つと、彼女たちは目に見えて脂汗を掻いて数歩と後退した。踏み止まれず逃げてしまったわけだが・・・。トリシュが「こら。ダメですよ」とルミナの肩に手を置いた。
「あなた達の実力は知ってはいるけれど、それでも民間人には変わりないの。だから今日のところは耐えてもらって、引いてくれると嬉しいのですが・・・」
「お嬢様。アルテルミナス様やトリシュタン様の仰る通りです」
ダールグリュン家の執事、エドガーからもそう言われたことでヴィクトーリアは「判りました。今日は本当にありがとうございました」と一礼した。ハリーもヴィクトーリアが折れたことで「っス・・・」と項垂れたのか一礼したのか判らないが頭を下げた。
「お嬢様とハリー様たちは、私が責任を持って送り届けます」
「ええ、よろしくお願いします」
そうしてヴィクトーリア達は、エドガーの運転する車に乗ってこの場を後にした。さて次は「コロナ達も、先に帰っていてもらおうか」と、ヴィヴィオの側にずっと付いていてくれているコロナとリオ、ルーテシアとリヴィアへと目をやる。
「え・・・?」
「ええええ?」
「私たちダメなの~?」
コロナとリオとリヴィアは不満気だが、ルーテシアだけは「うん、判りました」と素直に受け入れてくれた。
「トリシュさんもさっき言ってたでしょ。どれだけ強くても私たちは民間人。それに本当に危ない事件に首を突っ込むには・・・私たちは子供過ぎる」
ルーテシアの言葉にリヴィアも「判った、帰る」と応じてくれた。子供組で最強のリヴィアが折れたとあってはコロナとリオも折れざるを得なくなり、ルーツィエの運転する車で一足先に帰ることになった。
「ヴィヴィオ、フォルセティ君、イクス、アインハルトさん」
「気を付けて帰ってきてね」
「うん、ありがとう」
「はい。必ず」
「ありがとうございます」
別れを惜しんでいるヴィヴィオ達を見守っているところで、結界内にバラ巻いて置いたサーチャー術式・イシュリエルから、シャルがピンチに陥っている映像が送られてきた。シャルとミヤビの相性はあまり良くないからな。
「ルミナ。シャルの旗色が悪い。援護に向かってくれないか?」
「イリスが? 判った、送って」
ルミナの肩に手を置いて、結界内への進入許可を与えてポンッと背中を押した。それでルミナの姿が消えた。無事に結界に進入できたようで何より。それからルーツィエにコロナ達を託し、俺とアイリとトリシュは、フォルセティとヴィヴィオとイクスとアインハルトの4人の護衛を続ける。それからすぐサイレンがフェードインして来て、騎士団の護送車5台が到着。
「お疲れ様です、騎士トリシュタン、騎士ルシリオン、騎士アイリ」
「お疲れ様です。彼らが護送してもらいたい仮面持ちです」
「あー、はい、判りました」
俺が捕らえた十数人の仮面持ち達の現状を見て、騎士たちがドン引きしてしまった。連中は今、クリスタルケージの効果を有した改良版、テリトリー・オブ・スフィアケージで別々に捕らえている。さらに雷龍ジェレミエルの開けた口の中に放り込まれている。少しでも怪しい動きや他の仮面持ちが奪還しに来た際は、問答無用で雷龍の口を閉じ、円盾も解除する。それらを全て解除し終え、地面に仮面持ち達を降ろす。
「それでは、責任を持って護送します」
「はい、よろしくお願いします」
次々と護送車に連行されていく仮面持ちを見届け、護送車が騎士団本部へと向けて発進したのを見送っていると・・・
――トランスファーゲート――
あの空間の歪みが俺たちの前に現れ、そこから2人の女仮面持ちが姿を見せたことで、俺とアイリとトリシュはフォルセティ達の三方に付いて防御陣を執りつつ、フォルセティ達を二重防御結界の「デュアルクリスタルケージ」で覆う。
「ちょっと、しつこいんじゃない? アイリ達に敵いっこないんだから、さっさと諦めてよね」
――アイツ・ランツェ――
アイリは俺たちの頭上に氷の礫13個と生成し、トリシュは“イゾルデ”を大弓形態であるシュッツェフォルムで起動して、魔力矢を魔力弦に番えた。俺は“エヴェストルム”を二剣一対のゲブラーフォルムで起動し、左の“エヴェストルム”の先を仮面持ち2人へと向けつつ、頭上に魔力スフィア2基を展開する。
「この子たちを連れて行きたいのであれば幹部クラスを連れて来なさい。あなた達では私たちには勝てませんよ」
トリシュがそう言うが、剣を持っている仮面持ちはこれまでの仮面持ちとは違い、かなり強いと思う。もう1人の無手の仮面持ちも、場数を踏んでいる者なのか雑魚ではない。トリシュも判っているだろうが、俺たち3人なら確かに負けることはないだろう。
「そういうわけだ。管理局に未来は無いと言っているが、お前たち最後の大隊にも未来は無い。大人しく武装を解除し、投降しろ」
そう促すと、仮面持ち2人は自らが付ける仮面に手を伸ばし、そっと外した。目出し帽殻覗く見える瞳を見て、俺は「あぁくそ」と悪態を吐いた。2人は仮面を地面に捨て、次に目出し帽を脱ぎ捨てた。
「うそ・・・」
「そんな・・・!」
ヴィヴィオとフォルセティから悲痛な声が漏れ、アイリも「なんで・・・」と困惑している。俺たちの前に現れた仮面持ちの正体は「アリサ、ティアナ」の2人だった。
「あんた達に話を――」
「ジャッジメント」
――轟き響け、汝の雷光――
アリサが何かを言おうとしたがそれを無視して問答無用の雷撃砲を発射したんだが、アリサとティアナは「うあっ!?」と驚きはしたものの、射線上からしっかり離脱して直撃を免れた。狙いが甘かったか。やっぱり親しい者への攻撃は鈍ってしまうか・・・。
「ちょっ、急に何すんのよ!」
「話もさせないで撃つなんて酷いじゃないですか!」
「俺が今優先すべきはヴィヴィオ達の安全。たとえチーム海鳴メンバーだろうが後輩だろうが、加減は無いと知っておいてほしい」
ティアナは兄ティーダの件があるため、兄思いの彼女なら家族の情に絆されての離反はまだ考えられる。とはいえティアナがこうも簡単に大隊に付くとは思えない。彼女なら真っ先にティーダを救い出そうとするはず。となるとやはり返り討ちに遭って拉致されての・・・か。そしてアリサだが・・・。彼女が管理局を、チーム海鳴を裏切ることなど絶対にありえない。ならば拉致されて洗脳されているか、人格を投影された偽者か・・・。
「どれにしても次に君たちの確保だ。『もし大隊にスパイとして潜り込んでいるのなら、今すぐ情報を俺に教えろ。俺とアイリで乗り込んで蹂躙してくれる』」
ありえない話を振ってみる。スパイをするなら必ず、親しいチーム海鳴の誰かに相談なり、クロノやリンディ統括官といった上司に許可を取るなりするはずだ。しかしそんな話は聞いていない。親しい友人や上司以外の誰かにスパイをするなどアリサの性格からして話すわけも、自分ひとりで決めたわけでもないだろうし。
(さぁ、どう答えてくれる? )
『・・・無理よ。今のあたしは最後の大隊のアリサ、いいえ・・・カランよ。同志を売る真似は出来ないわ』
他の仮面持ちの監視を誤魔化すために口頭で嘘を吐き、念話で真実を語ることは出来たはずだ。しかし念話で断言したアリサはもう「敵なんだね・・・」と落ち込むアイリの言うように、彼女は捕まえるべき敵だ。
「ティアナもそれで良いんだな?」
「はい。最後の大隊のメンバー、ギルとして・・・お兄ちゃんと一緒に世界の理不尽と戦うって決めたんです」
――フルアーマメント――
ティアナの背中に機械の環が展開された。環の四方からアームが伸び、右肩上のアームには機関部・銃身・銃床が3倍ほど長くなってはいるが、SIG SG550をモデルとしたであろうアサルトライフルが装着されている。左肩上にはゾロターンS-18/100をモデルにしたであろう対戦車ライフル、右脇下にはM134をモデルにしたであろうガトリングガン、左脇下には2m半ほどの細長い銃身とマガジンが挿された長方形の機関部で構成されたレールガン。そして両手には2挺の“クロスミラージュ”。銃火器の完全武装だな。
「で? アリサ、君・・・フレイムアイズはどうした?」
アリサの持つデバイスらしき大剣は両刃で、フルドライブのクレイモアフォームと似ているがこっちは実体剣だな。あと柄が異様に長い。両手で持ってもまだ余りある。
「フレイムアイズ? あたしの言うこと聞かないし邪魔から置いてきたわ。スペック的にはこのナーゲルリングの方が上だし、どちらを使うかは明らかでしょ」
アリサはそう言って“ナーゲルリング”を自分の胸の辺りまで持ち上げ、水平に構えると「カートリッジロード」と一言。柄頭と柄尻部分がスライドし、2つのシリンダーがその姿を見せた。2つのシリンダーによる2発のカートリッジロード。アリサの魔力が爆発的に上がった。
「そうか・・・。洗脳か偽者か、どちらにしろ相棒を見捨てた時点でお前はもうアリサじゃない」
アリサとしての自我と記憶がある以上、“フレイムアイズ”への思い入れも憶えているはず。使わないが待機形態で持っているというのならまだ良いとして、置いてきたとなると本当に大隊側に付いていることになる。
「とにかく、君ら2人はここで確実に捕まえる。話し合いはその後でだ」
「ヴィヴィオとフォルセティとイクスは貰っていくわ」
「その為ならあたし達、相手がルシルさんでも一歩も引きません!」
ティアナが俺から距離を取るべく、武装すべての銃砲口を俺に向けたまま後退し、宙に魔法陣の足場・フローターフィールドを展開して飛び乗った。空からの攻撃ならアリサに間違っても当てる心配はないだろうからな。
「アイリ、トリシュ。ヴィヴィオ達から目を離さないでくれ」
「ヤー!」「了解です!」
――フォックスバット・ラン――
アリサは高速移動魔法を使って俺に突撃して、“ナーゲルリンク”の剣身に炎を付加しての直接斬撃を振るってきた。俺を相手に真っ向から突っ込むことがどれだけ悪手なのか、もう忘れたのかアリサ。
――舞い降るは、汝の雷光――
突っ込んでくるアリサへ向けて雷槍10本を斉射する。火炎斬撃を横薙ぎに振るって、直撃コースの雷槍だけを弾き返したアリサに対して・・・
「第二波装填」
――轟き響け、汝の雷光――
「ジャッジメン――」
追加の雷槍10本を頭上に展開し、俺のすぐ近くにまで来た彼女へと放とうとした時、「させません!」と、ティアナの“クロスミラージュ”や他の兵装から物質弾や魔力弾、エネルギー弾が発射されて、雷槍が発射される前に潰しにきた。
「ナイスよ、ギル!」
――タイラントフレア――
――輝き燃えろ、汝の威容 ――
さらに爆発的に噴き上がる炎。俺は既に“ナーゲルリング”の攻撃範囲内に入っているが、「温いな」と俺は漏らし、「ケルビエル!」を発動。俺の足元に円陣が展開され、円陣内に炎が噴き上がる。
「ぐっ・・・くぅぅ・・・!」
アリサが一瞬にして蒼炎に飲み込まれ、“ナーゲルリング”による火炎斬撃も俺に届かなかった。
†††Sideルシリオン⇒ヴィヴィオ†††
なのはママやフェイトママ達のお友達のアリサさん、そして部下だったティアナさんが、わたしを狙う最後の大隊のメンバーとして現れた。そして今、ルシルさんと交戦中。
「ファイア!」
――クロスファイアシュート――
「せぇぇぇぇい!!」
――ヴォルカニックスカッシャー――
ティアナさんの魔力弾幕にアリサさんの巨大魔力斬撃がルシルさんに迫るけど、「イロウエル!」っていう、とんでもなく大きな銀色の両腕が、虫を追い払うかのような動きで弾幕と斬撃を薙ぎ払って、「きゃあああああ!」アリサさんとティアナさんも一緒に吹っ飛ばした。ルールの中で行う試合じゃなくて、カウンテッド・アウトやサレンダーなんていうものが無い本物の戦闘・・・。
「アリサ、ティアナ、降参してくれないか? もう判っているだろ? 君たちでは俺には勝てないと」
――照らし召せ、汝の烈光――
展開された10枚のベルカ魔法陣から蒼く光り輝く龍が10頭出てきて、アリサさんとティアナさんに向かって大きな口を開けた。そしてルシルさんが「ジャッジメント!」って号令を下すと、光の龍が一斉に2人に向かった。
「ティアナ!」
「はいっ! レールガンからショットカノンへと換装!」
ティアナさんの左脇下にあった銃口が1つしか無かった武器が銃口が3つある武器へと変わった。
「ワイドマルチプルロックオン・・・! クリアランスブレイカァァァァーーーーッ!」
ティアナさんの持つ全ての武器から一斉に、そして連続で攻撃が放たれて、雷の龍を迎撃した。耳を塞ぎたくなるほどの轟音と魔力爆発にわたし達は「きゃあ!」耳を塞いで叫んだ。ルシルさんは「ま、そんな攻撃方法もやっぱりあるよな」って驚きもしなかった。
「追加攻撃が来る前に仕留め・・・え?」
――指し示せ、汝の星図――
「「きゃあああああ!?」」
砲撃よりいくらか細い光線が空から降り注いできて、アリサさんとティアナさんの至近に連続で着弾。2人はその衝撃で地面を転がった。空を見れば大きな魔力の円が展開されていて、いくつもの魔力球で星座を形作ってる。そんな魔力球が次々といろんな星座を形作りながら、地上へ向かって光線を連射する。
「俺の中級術式だけでその様だ。だからもう降参しろ。それとも上級術式で完全に撃墜されるまで足掻くか?」
「ふざけんじゃないわよ!」
「お兄ちゃんのため、お兄ちゃんのため、お兄ちゃんのため・・・!」
「そうか。なら墜とす、覚悟しろ」
ルシルさんがなんか悪役みたいな感じになっちゃってる中、アイリが「ちょこっと手伝おうかな」って足元にベルカ魔法陣を展開した。そして「ティアナを黙らせようか♪」って、腰の辺りに展開した白翼から取った羽根を両手の指に挟み込んだ。
「ラオム・ツー・ストッペン!」
アイリは羽根を空に投げ放った。軌道を目で追うと、ティアナさんからの射砲撃を妨げるために接近戦を選んだルシルさんと、「ちょっ、アンタって中遠距離が得意なんでしょうが!」って嫌がるアリサさんの上空へと弧を描いて向かってる。でもティアナさんに気付かれたっぽくて、銃口が3つある武器が空に向けられた。
「ブラストディセミネーター!」
3つの銃口から何十発っていう光弾が発射されて、アイリの羽根を一気に迎撃した。それを見たトリシュさんが「私が代わりましょう」って言って、弓形デバイス・“イゾルデ”を起動させる。右手の指5本に挟むように作った魔力矢4本を魔力の弦に番えた。
「元が1対2ですし、こちらも手を出しても構いませんよね」
「そうそう♪ ルシルがアリサから離れないようにしてるから、ティアナも援護射砲撃できないし、突っ立ってるだけならもう退場しても良いよね~」
「往けっ!」
――天翔けし俊敏なる啄木鳥――
トリシュさんが放った4本の矢は目にも留まらない速さでティアナさんへと殺到。ガンッ!て派手な音と一緒に着弾して、魔法陣の足場から吹き飛ばされて地面に落下した。その際、背中にあった円い機械が大きな音を立ててティアナさんから外れて、ディエチの“イノーメスカノン”より長い4つの武器がビタン!って倒れた。
「フォイア!」
――コード・シャルギエル――
次にアイリが氷の槍を4本と発射して、槍を4つの武器に突き刺すと同時に炸裂させて凍結した。ティアナさんもその冷気に当てられて若干霜が掛かっちゃった。倒れ伏したまま起きないから、トリシュさんの今の一撃で気を失ったみたい。さらにガシャァン!とガラスが割れるような音と一緒に空間が割れて、そこから「ただいま~!」ってシャルさんとルミナさん、それにルミナさんに背負われたミヤビさん(意識を失ってるみたい)が飛び出してきた。
「ティアナ! ミヤビさん!?」
「さぁ、これで残るは君だけ・・・だ!」
一際強い斬撃を振るったルシルさん。アリサさんは咄嗟に“ナーゲルリング”で受け止めたけど「きゃあ!」薙ぎ払われて地面を転がった。そんなアリサさんに「これで終わりだ、アリサ」ってルシルさんが言い放って・・・
――煌き示せ、汝の閃輝――
砲撃を1発発射。起き上がろうとしてたアリサさんに直撃させた。起こった魔力爆発の煙が晴れると、アリサさんがぐったりと地面に倒れ伏してた。
「アリサさん、ティアナさん・・・」
ボロボロの姿で倒れてる2人の姿を見て、わたしは胸が苦しくなった。2人はわたしが昔から知る親しい人だ。そんな2人がわたしを拉致するために現れて、また親しい人達の手によって迎撃されて・・・負けた。
「これって・・・わたしの所為・・・?」
「「え・・・?」」
「ヴィヴィオさん・・・?」
わたしが聖王女のクローンだから、アリサさんやティアナさん、それにすでに捕まってるスバルさん達がこんな事に・・・。ううん、全部が全部わたしの問題じゃないかもしれない。だけど全くの無関係じゃない。わたしを狙う最後の大隊が次元世界に在り続ける限り、アリサさん達のようにいろんな人たちが拉致されて、洗脳されて、罪を犯し続ける被害者にして加害者になっちゃう。
「もう護ってもらってるだけじゃダメなんだ・・・」
「ヴィヴィオ、何を言ってるの?」
「変な事を考えていませんか、ヴィヴィオ?」
「ヴィヴィオさん、そこから先はいけません」
フォルセティ、イクス、アインハルトさんがわたしの考えを察して止めに来てくれたけど、もうこれしか方法はないと思うから・・・。わたしはまず、わたしの声がすぐに届くアイリとトリシュさんに言った。
「わたし、最後の大隊に拉致されてみます」
後書き
さぁ、いよいよ今週発売となるエースコンバット7!
待ち遠しい、めっちゃ待ち遠しい!
というわけで、来週の更新はしません! ごめんなさい!
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