ハイスコアガール　前世がゲームオタクの俺がラブコメを展開するのは間違っている件

大野に対する作者の独自解釈です。 

南小の出身なら誰もが知ってるマドンナがいる。彼女の名は大野昌。俺も詳しくは知らないけど大野財閥という大金持ちの娘の一人が大野だ。俺が小学三年の頃から大野を知っており、初め見たときは凄く可愛いと思って他の女子が霞んで見えるような女子だった。そんな南小のマドンナと同じクラスメートになったのは六年の時で、俺は嬉しくて仕方なかった。いや、俺だけでなく、大野を知る他の男子達も一部の例外を除いて凄く喜んでいた印象は凄く覚えている。

大野はとにかく人気がある。無論、可愛い事も人気の一つで、勉強は常に学年で１番で体育も男子以上に優れて敵なしで、まるで漫画のような完璧な主人公を体現したような女子が大野だ。後、これが重要だけど大野が人気があるのは可愛くて、運動も勉強もできる事もあるけど、それ以上にあまりえばらないし、喚かないし、特定の女子とつるまないのも人気がある事だ。俺が今まで見たクラスや学年で勢力が強い女子は、とにかく男子を見下すし、気に入らない相手にはば喚くし、私が一番という事を隠そうともしないため、男子の俺達からすれば関わりたくない女子が殆どだった。

それが気に入らないの事から男子達をいじめの標的にはしないが、余計に隠そうともしないで俺達に悪口を言う。だけど、そんな団栗の背比べをしている女子達からすれば大野を見れば霞んで見える。とにかく大野は特定のグループに所属しないから、女子達も一部の例外を除いて自分たちのグループに居れようと必死だ。大野の周りの女子達は笑顔だけど、互いに睨みつてけん制している様子が怖くて仕方がねえな。そういった自分の欲望に充実な中で先ほど話した一部の例外が鬼塚だ。まあ、性格と趣味があれなせいで鬼塚の男子や女子達の評価はイマイチだけど、何かと大野を気にかけているから大野も鬼塚には感謝しているようには思える。

男子も女子も大野と仲良くしたい。女子は自分のグループに大野を入れたい。特に男子達は大野と出来れば恋人になりたいと思っているが、大野の鉄壁の防御と、特定のグループに所属しない事と、家の方針による稽古漬けのせいで全てが失敗に終わっている。

男子達の中には誰が大野の心を射止めるのか賭けの対象にもなっていると噂もあった。そんな時に、六年の５月の終わり頃に、大野に変化が現れた。それは偶然だったんだけど、いつもなら大野は、学校が終わるとお迎えの車に乗って直ぐに家に帰るのに歩いて下校していた。大野にしては珍しいと思ってコッソリと友達と数人で大野を付けたら、そこに大野と矢口が一緒に駄菓子屋でゲームをしていた光景だった。俺は、この光景を見て嘘だろうと思った。何で大野があの矢口と一緒にゲームを楽しんでいるだよと思った。大野と矢口だと趣味も立ち位置も全くの違う世界の住人だと思っていたからだ。

矢口ハルオ。こいつも大野とは別の意味で俺達のクラスでは有名だ。矢口はとにかく俺達のクラスでは自他共に認めるゲーム好きで有名なゲームマニアだ。ゲームの話題となると俺達のクラスだと真っ先に矢口が中心になる。俺達のクラスで、親にゲーム機を買って貰えばスーファミを選んでいたけど、矢口はPCエンジンという別のゲーム機を購入していた。PCエンジンに関しては詳しくは知らないけど、矢口が言うにはゲーセンのゲームの移植が多いからスーファミじゃなくてPCエンジンを選んだそうだ。

矢口本人はゲームが絡まなければ目立たない。休み時間は基本的に寝てるし、男子なら誰もが好きな体育や図工の授業もやる気がない感じだしな。矢口の男子の評価はゲームが絡まなければ基本的に無害で地味な奴というのが俺達が抱いている矢口の印象だ。ただ、ゲームが絡むと、矢口は学校の規則など無視してでもゲームに一直線だ。何しろゲームセンターには行ってはいけないという学校の規則は普通に破ってるし、先生の目を欺いて隣町のゲームセンターにまで行ってるほどだからな。

矢口はとにかく穴場な駄菓子屋ゲーセンやゲームセンターに凄く詳しい。そのため俺達もゲームセンターで遊ぶ時に矢口の情報でゲームセンターを選んでいる。何しろ学校周辺のゲームセンターで遊んでいたら学校の先生達に見つかってうるさいからな。

話は戻るけど、ゲームマニアの矢口と、クラスのマドンナ大野。明らかに接点もない二人がどうして駄菓子屋ゲーセンで一緒に遊んでいるだと疑問に思った。普段から表情を変えない大野が嬉しそうな表情だった。いつもどこか冷めた感じの大野だけど、矢口と一緒にゲームをしていると嬉しそうに笑っていた。俺達クラスメートに普段は見せない笑顔に思わずドキッ！としてしまったのは俺だけではないはずだ。そんな男子も女子も見惚れる大野の笑顔に矢口は普段と変わらない表情でゲームを遊んでいた。

おい、矢口。お前はどれだけ自分が貴重な体験しているのか分かってんのか？大野がお前と一緒に遊んで凄く嬉しそうにしてるんだぞ。それなのに何時もと変わらない様子でゲームしてるなんてお前は本当に男子かよと、俺は矢口に言いたい。あれが大野と矢口が初めて一緒に遊んだのかは知らないけど、俺のように矢口に穴場のゲームセンターや駄菓子屋を教えてもらった男子達は大野と矢口が一緒にゲームしている光景をよく目にするようになった。初めは偶然にも一緒に遊んでいただけだと思ったけど、あそこまで一緒に仲良くゲームをしている光景を見ると、考えたくなかったけど、大野と矢口は付き合っているじゃないかと思った。

実際にその真相を確かめようと矢口に聞いた事があったが矢口は……。

「俺と大野が、ないない」

矢口は挙動不審にもならずに淡々とした口調で否定した。あんな恋人同様に仲良くゲームしてたら普通に恋人だと思うぞこら！

それからかな。他の男子達も矢口が大野と仲が良いと分かると矢口に凄く嫉妬していた。まあ、クラスの人気者で恋人になりたい女子NO1の大野と仲が良いとなれば嫉妬もするわな。クラス一の勘違いキザ男の土井なんか「何で劣等人種のハルオが大野さんと……」と、凄く悔しいそうな表情で呟いてたもんな。だけど、俺からすると大野と矢口はくっつきそうでくっつかないラブコメが展開されていて、何時になったらお前たちは付き合うんだよと思ってしまう。

なお、俺がこれまで矢口に思った事を言おうと思います。大野に嫌われたくないからこそ口にしないが矢口に対して俺はこう言いたい。マジで羨ましいぞ、このラブコメ野郎！！