八条学園騒動記
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第四百八十五話 若し傍にいたらその七
「何匹も。それで鼠を蓋してな」
「その上で火を焚くのよ」
「そうしたら鼠火の熱から逃れようとして死刑囚の腹食い破ってその中に逃げようとするんだよな、確か」
「そうそう、そうさせてね」
「死刑にするんだな」
「これもあるわよ」
「あたしそれ観たことないけれど死刑囚凄い絶叫するらしいな」
自分の腹を食い破られ内臓も荒らされるのだ、恐ろしい激痛に襲われることは言うまでもないことだ。
「だからか」
「死刑囚を苦しませる為に」
「やるんだな」
「そう、それも出来るだけきつくね」
「いい刑罰だな」
連合ではこうなるのだ、悪人には出来るだけ苦しみを与えるべきだというのだ。
「それはまた」
「それもあるのよ」
「死刑っていっても色々だな」
「ただ縛り首や電気椅子だとね」
「あっさり死ぬしな」
「観ている方も面白くないし」
連合では死刑はショーにもなっているのだ、悪人が出来るだけ苦しんで死ぬのを観てそれを楽しむのだ。
「悪人への報いにもね」
「ならないしな」
「だからよ」
「連合じゃ死刑っていっても色々あるんだな」
「それで残酷なのよ」
「エウロパとは違ってな」
「あそこ死刑ないでしょ」
この時代のエウロパではそうである。
「変に人道言うから」
「昔は自分達の方が酷かったのにな」
「魔女狩りとか侵略の時にね」
「十字軍とかでな」
「もう殺しまくってたのに」
「中南米とか酷かったのにな」
ロザリーは自分の国の話もした、コロンビアも中南米の国だからだ。
「もうな」
「無茶苦茶だったのよね」
「遊びで殺したり人間狩りで犬使ってな」
人を襲う様に訓練された犬達に襲わせたのだ。
「それで隠れている人達もな」
「犬に殺させたのよね」
「そうしてきたんだよ、焼き肉焼くみたいに焼き殺したり」
この火炙りの仕方は連合にもある、人を鉄の網板の上に両手両足を縛って置いて下から火で炙るのだ。
「色々やってたよな」
「奴隷として酷使したりね」
「異端審問なんてな」
「拷問のフルコースだったし」
「冤罪でな」
本物の魔女が魔女狩りに捕まる筈がない、その魔術で逃げてしまうに決まっている。捕まるのは無実と思っていい。
「最悪なことに」
「というかセーラみたいな娘が捕まるか」
「いや、セーラは能力高過ぎだろ」
「じゃあセーラの十分の一でもね」
「そうした能力があるとな」
「捕まらないでしょ、当時は」
「絶対にな、それこそな」
ロザリーは今も餌を食べている恐竜達を観つつアンジェレッタに応えた。
「当時の軍隊とか警察だとな」
「本物の魔女捕まえられないわよ」
「精々持ってるの銃位だからな」
「恐竜を倒すことだって」
アンジェレッタも恐竜を観ている、そのうえでの言葉だ。
「相当難しかったし」
「そうだよな、というかな」
「無実の人を捕まえて」
魔女でない一般の人達をだ。
「滅茶苦茶な拷問してね」
「あの拷問えげつないよな」
「頭おかしいんじゃないのってレベルでね」
「何だよ、あの拷問」
ロザリーは眉を顰めさせて首も傾げさせて言った。
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