夢幻水滸伝
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第六十七話 都に降臨その十三
「手に入れるべきです」
「大和、奈良やね」
「あの街だけでなくその全土をです」
「手に入れるんやね」
「大和は非常に豊かな国です」
この世界でもそうだというのだ。
「ですから統一の後は」
「あの国やね」
「そこに伊勢と志摩もですね」
「先に先にいくね」
「そうして進めてこそです」
まさにというのだ。
「日本統一を果たせますので」
「先の先まで考えて」
「そうです」
まさにというのだ。
「ですから」
「ここはやね」
まさにと言った綾乃だった。
「芥川君達と話をして関西を」
「そうです、関西を統一してです」
そのうえでというのだ。
「そこからです」
「日本統一目指すんやね」
「関西は日本で各産業が最も発達していてです」
農業に商業、そして工業等がというのだ。
「技術力も高いですし人口も多いです」
「都もあるし」
「はい、四千万の民がいます」
この関西にはというのだ。
「兵も多く用意出来ますし」
「そやからやね」
「我々はその関西にいますので」
都合のいいことにというのだ、自分達にとって。
「ですから」
「関西統一を目指すんやね」
「まずは。そうしてからです」
「日本統一やね」
「その鍵を握るものが」
「芥川君がおる大坂とのことやね」
「そうです。大坂の彼等を引き込むことが出来れば」
太宰はさらに話した。
「あの三国だけでなく播磨、紀伊も手に入りますので」
「そうなるね、確かに」
「そうです、紀伊には漁業も林業もあります」
この二つの産業も盛んだというのだ。
「ですから」
「そういった産業を確かにする為にも」
「まずは大坂です」
この地にいる芥川達をこちらの陣営に加えるというのだ。
「そうしていきましょう」
「そやね。あと太宰君学校どんどん建ててるやん」
「それが何か」
「民の識字率上げて教育レベルも上げてくんやね」
「そこから色々学んでもらい」
そしてとだ、太宰は綾乃にこの政策についても話した。
「人材を育て」
「その分国力を高めるんやね」
「そうです」
その通りという返事だった。
「ですから」
「学校もどんどん建ててくんやね」
「戦前の日本はかつて台湾を統治していましたが」
その統治は日本の敗戦まで続いていた、関わった人物としては日露戦争で日本を影で勝利に導いたと言われている明石元次郎や新渡戸稲造、後藤新平や児玉源太郎、乃木希典と錚々たる人材が挙げられる。
「その際学校を多く建てていますが」
「その学校がやね」
「戦後の台湾の発展に大きく役立っています」
「台湾でそのまま使われてやね」
「そうです」
その通りだとだ、太宰は綾乃に答えた。
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