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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十一話 動物園の熊達その一

                第百七十一話  動物園の熊達
 安座間君との話の後でだ、僕はこの日学校の授業も部活も早くに終わって時間があったので動物園に行ってみた。
 八条学園の敷地内にある動物園は平日は静かだ、それで動物達を見て回るのは凄く順調に行ける筈だった。
 だが入り口でいきなりだった。
 友奈さんとマルヤムさんに会った、するとすぐに友奈さんが僕に聞いてきた。
「動物園に行くの」
「そのつもりだけれど」
「そうなの、じゃあ私も」
「拙者もでござる」
 マルヤムさんも言ってきた。
「今日はそうするでござる」
「二人共暇なんだ」
「ええ、だからね」
「暇ならばでござる」
 やることを見付けてというのだ。
「それで、でござる」
「動物園の見学をするの」
「そうなんだ、まあ八条学園の学生ならね」
 これは動物園がある学園の生徒の特典だ。
「無料で入られるからね」
「それならね」
「余計に入るべきでござるな」
「お金の心配がないとね」
 入園料が不要ならだ、これは美術館や博物館等もだ。八条学園の学生は学園内の施設への入場は無料なのだ。
「余計にいいよね」
「それじゃあね」
「今から行くでござる」
「そうしようね」
 一人で行く予定が急に変わった、何か八条荘の管理人になってからこうした展開になることが多い。賑やかなのもいいと思いながらだ。
 僕は友奈さんとマルヤムさんと三人で動物園の中に入った、そこでマルヤムさんはすぐに僕に言ってきた。
「日本の生きものもいるでござるな」
「狐とか狸とか」
「鹿や熊もでござる」
「全部いるよ」
 この動物園にはだ。
「北海道や沖縄の生きものもね」
「そうでござるな、熊もでござるな」
「うん、いるよ」
 実査にとだ、僕はマルヤムさんに答えた。
「ツキノワグマやヒグマがね」
「そうでござるな」
「じゃあまずは」
「熊を見たいでござる」
 これがマルヤムさんの返事だった。
「是非」
「そうなんだ」
「実は拙者熊にはあまり縁がないでござる」
「マレーシアだったよね」
「そうでござる」
「マレーシアっていうと」
 この国の自然、生態系についての知識僕の脳内のそれを検索してだった。僕はマルヤムさんにこう答えた。
「マレーグマっていたよね」
「拙者が済んでいる地域にはいないでござる」
 マレーシアのそこにはというのだ。
「残念ながら」
「それでなんだ」
「拙者熊にはでござる」
「縁がなくて」
「是非見たいでござる」
 これを機にというのだ。
「そう思ってでござる」
「ここに入ろうとしていたんだ」
「いや、実は最初は」
「最初は?」
「友奈殿とたまたま帰りに会ってでござる」
「ジュースを飲みに行くところだったの」
 友奈さんも話してくれた。
「近くの自動販売機で」
「そういえば動物園の入り口近くに自動販売機のコーナーあるね」
「それで」
「そうだったんだね」
「あそこにしかないジュースがあるから」
「あそこにしかないのはみっくちゅじゅーすかな」
 僕はこのジュースだとすぐにわかった。 
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