八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十九話 沖縄とはその十一
「荒廃しきった沖縄が目の前にあることもだ」
「有り得るわね」
「はっきり言うがアメリカ軍の基地がなくなってもな」
「あそこは重要よな」
「自衛隊の基地が出来る、アメリカ軍の基地がなくなる可能性も殆どないしな」
現実を考えればというのだ。
「北朝鮮の様な国があるとな」
「沖縄はね」
「どうしても基地がある」
「戦略ね」
「その意味でな」
「そうなるのね」
「おそらくそうした連中は自衛隊にも文句を言う」
こうした人達は自衛隊も嫌いだ、まだ非武装中立だの何だのと言っているのだから現実が全くわかっていないのだろうかそれともまた別の意図があるのだろうか。
「いや、おそらくでなくだ」
「絶対にっていうのね」
「そうした輩は言う」
「どっちにしろ言うのね」
「現実を見ないでな」
「それでなのね」
日菜子さんは眉を曇らせて言った。
「ああしたことを言って騒いでいるのね」
「言う、そしてそれはだ」
「沖縄のマスコミも同じね」
「カルト教団か」
井上さんはこうも言った。
「言うならな」
「カルトって」
「そうだ、宗教化していてだ」
それでというのだ。
「もう現実よりもだ」
「自分達の主張が正しいって盲信してて」
「それで言っている者も多いな」
「若しくは怪しいのとつながってて」
「その意に添って動いている」
「工作員ね」
「そうかも知れない」
その可能性もあるかというのだ。
「いや、そうした輩もだ」
「いるのね」
「否定したいが途中で断言もしたな」
「主体思想とかね」
「そう思うとだ」
「あんたも否定出来ないのね」
「どうにもな、やはりだ」
沖縄の基地反対運動はというのだ。
「怪しいものが非常に多い」
「そう言わざるを得ないのね」
「そしてそれが沖縄を歪めている」
「沖縄イコール基地っていう認識にもなって」
「こうしたことはままある、ドイツにしてもそうだな」
井上さんはこの国の名前も出した、ドイツからの留学生も八条学園にはよく来ていて一緒に学んでいる。
「ドイツは素晴らしいものが多くあるが」
「文学でも音楽でもね」
「料理でもな、しかしだ」
ここで井上さんが言うことはというと。
「ナチスでな」
「ああ、あれね」
「ドイツイコールナチスとな」
「そうしたイメージもあるわね」
「否定出来ないな」
「ええ、わかる気がするわ」
日菜子さんは井上さんに苦い顔で答えた。
「沖縄と考えると」
「そうだな」
「ドイツイコールナチスっていうのもね」
「確かにインパクトがあるがな」
「ナチスだけじゃないわよね」
「ドイツの歴史の中のほんの二十数年だ」
この政党が存在したのはというのだ。
「ごく僅かな期間でしかない」
ドイツの歴史の中でというのだ。
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