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八条学園騒動記

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第四百八十三話 手紙を貰ってその十

「その一億人全員の裁判とかね」
「嫌になるな」
「そうよね、大変よね」
「一目見てこりゃ地獄落ちって奴でもな」
「裁判しないといけないから」 
 逆に一目見て天国に行く者でもだ。
「絶対にね」
「そう思うと大変だな」
「そうよね、冥界の方も」
「それで死んだ人が多くて居住問題になるか?」
「いや、冥界はならないでしょ」
「それはならないか」
「だって冥界は凄く広いでしょ」
 これがアンジェレッタの見立てだった。
「一つの世界、宇宙みたいなものだから」
「ああ、こっちの世界とはまたか」
「違うから」
 それでというのだ。
「だからね」
「来る人が多くても減らないか」
「そうでしょ、キリスト教の最後の審判の時も」
 この宗教では裁判はその時まで控えられる、ただしダンテの神曲では死んだ時にそうなっている様な描写である。
「やっぱり凄く広い世界だから」
「一気にか」
「天国と地獄に分けてても平気でしょ」
「キリスト教徒って一兆はいるか?」
「五千億位?複数の宗教信仰していて」
「それ位かよ」
「まあ五千億を一気に分けてもね」 
 それでもというのだ。
「全然平気だし、というか別世界なら」
 自分達が今いる世界とは、とだ。アンジェレッタは話した。
「この宇宙とは別世界だから」
「冥界は宇宙位の大きさか?」
「そうじゃないの?」
「そう思うともう幾ら死んでもいいな」
「そうでしょ、宇宙位大きいと」
 それこそとだ、アンジェレッタはロザリーに話した。
「もうね」
「狭いとかな」
「関係ないわよ」
「そうだな、そんなこと気にしなくていいか」
「そうなると思うわ」
「そうなんだな、ただ裁判は」
 ロザリーはこちらの話に戻した。
「大変だろうな」
「一億人とか一日にとか」
「どうやって裁判するんだよ」
「冥界の時間の流れは違うとか」
 同じ一日でも人界のそれとは、というのだ。
「そうじゃないの?」
「それじゃあ一億人いてもか」
「それでもね」
 それだけいてもというのだ。
「平気じゃないかしら」
「そんな風か」
「何か仏教の地獄の時間凄いし」
「ああ、何か凄いものあるよな」
「そうでしょ、そういうのだから」
 それでとだ、アンジェレッタはまた話した。 
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