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夢幻水滸伝

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第六十六話 過去その一

               第六十六話  過去
 日本は統一されて太平洋の覇権を賭けた戦に入ろうとしていた、だがその前に各勢力はその戦の用意に入りはじめていた。
 それは言うまでもなく日本でも同じだ、日本は全土での内政を行いそのうえで戦の用意を進めていた。
 それで今は星達が都に集まり今後のことを話していたがその休憩時間にだ、中里はふとこんなことを言った。
「僕がここに来るまでどんなんやってん」
「こっちの世界はか」
「そや、どうやったんや」
 中里は自分の真正面の席にいる芥川に問うた。
「一体な」
「自分が来る前に僕等が何してたかやな」
「それと世界自体もどんな感じやってん」
 このことも気になるというのだ。
「一体な」
「何でも海に覆われてたらしいな」
 芥川は腕を組んだ姿勢で中里に話した。
「こっちの世界はな」
「海にか」
「世界の全部が眠らさせられたうえでな」
 そのうえでというのだ。
「石か何かに変えさせられたうえで」
「何か凄い話やな」
「海を支配する魔神って奴がおったらしくてな」
「その魔神が世界をそうしてたんか」
「それをアトランティスとムー、二つの浮島があってな」
「その名前は」
 アトランティス、そしてムーと聞いてだ。中里はすぐにこう言った。
「こっちの世界やと伝説のあれやな」
「ああ、海に沈んだとかいうな」
「その二つの大陸やったな」
「その二つの大陸はこっちの世界では浮島でな」
「その二つの島の連中が魔神倒したんか」
「それぞれの島を統一した英雄達がそうしたらしいわ」
 芥川は中里にまずはこの世界のはじまりのことを話した。
「二つの島は地図にも載ってなくてこの世界の何処にあるかわからん」
「そうなんか」
「けれどその二つの島を統一した英雄達がや」
「魔神を倒してか」
「この世界を救ったんや」
「海に覆われてて眠らさせられてた世界をか」
「そう言われてる、そしてな」
 魔神が倒されてからというのだ。
「僕等がこの世界に来たんや」
「それでその自分等のことも聞きたいんやけどな」
 中里は芥川にさらに言った。
「ええか」
「長い話になるで」
 綾乃が主の座から中里に言ってきた。
「その話したら」
「ここにおる連中それぞれの経緯があるからやな」
「こっちの世界に来てからのな」
「それでか」
「うちもそうやし」
 かく言う自分自身もとだ、綾乃は中里に微笑んで話した。
「その辺りは長いで」
「長くなってもな」
「それでもええんやね」
「それを承知の上でや」
 中里としてもというのだ。
「聞くしな」
「そやねんね」
「それで話を聞かせてもらいたいけどな」
「そういえばうちも皆がこの世界に来た時とこれまでのことよお知らんわ」
 綾乃は中里の言葉を受けてこのことに気付いた。
「ほな皆それぞれ話してくれるか」
「よし、じゃあそれぞれ話してこか」
 芥川は綾乃の言葉を受けてそれを決定とした。
「そうしよか」
「僕は気付いたらすぐに自分と綾乃ちゃんに会ったからな」
 中里はここでこう言った。
「それを話すな」
「よし、じゃあ自分の話からや」
 他の面々が話すとだ、芥川が応えた。そうして中里が自分のことを話してから他の面々が話をはじめたのだった。 
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